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17歳のFW高岡伶颯がJリーグを経由せずにプレミアの古豪サウサンプトンと契約(写真・アフロスポーツ)
17歳のFW高岡伶颯がJリーグを経由せずにプレミアの古豪サウサンプトンと契約(写真・アフロスポーツ)

なぜ17歳の“逸材FW”高岡伶颯はJリーグを経由せずプレミアの“古豪”サウサンプトンとの仮契約を勝ち取れたのか?

 

 一方でイギリス滞在中には思わぬ形で名前が報じられた。
 セリエAの名門、インテルの練習に参加する予定が、実は「詐欺被害にあっていた」とイタリアのメディアが報じた。イギリスへ渡る前にミラノに滞在していたのは事実だが、目的はインテルへの練習参加ではなく、施設の見学などが目的だった。
 友人や知人から心配する声が相次いで届く騒動になっても、高岡本人はまったく意に介していなかった。むしろ「名前が報道されるくらい、自分は評価されているのかな」とポジティブに受け止める材料に変えていた。
 吉田だけでなく森保ジャパンのMF南野拓実(29、現モナコ)らも在籍したクラブとして日本でもお馴染みのサウサンプトンは、1885年に創設された古豪クラブとして知られる。獲得したメジャータイトルは1975-76シーズンのFAカップだけだが、イングランドでは優秀な若手選手を育てるクラブとして高く評価されている。
 過去には元イングランド代表のFWアラン・シアラー(53)や、元ウェールズ代表のFWガレス・ベイル(34)らの名手を輩出。開催中のユーロ2024でイングランド代表に名を連ねるDFルーク・ショー(28)も、サウサンプトンのユースからトップチームをへて、マンチェスター・ユナイテッドで10年間プレーしている。
 練習参加を通して育成型クラブであるサウサンプトンに可能性を認めさせ、オファーを手繰り寄せた高岡は、迷わずに卒業後のヨーロッパ挑戦を即決。18歳の誕生日を迎える来年3月12日以降にイギリスへ渡り、契約書に正式にサインする。
 前出のサウサンプトンのクラブ公式HPは「レントをクラブに迎える来年3月を楽しみにしている」と、高岡の仮契約に関するリリースを締めた。さらにクラブの専門メディアの『Saints Socialite』は公式X(旧ツイッター)に、U-17W杯で高岡がゴールを決めた動画を投稿。その上で次のようにつぶやいている。
「クラブの未来を担う一人 レント・タカオカ」
 高校最後の年を迎えた高岡は、将来に描く目標を「世界で活躍するストライカー」にすえた上で、さらにこんな思いを口にしていた。
「卒業してからが一番の勝負。これから世界と戦うにはいまの自分に満足せずに、もっと体を大きくして、自分の武器であるスピードや決定力を通用させていきたい」
 自らの意思で進路を決めた高岡は、まずは日章学園のエーストライカーおよびキャプテンとして、すでに出場を決めている今夏のインターハイ、同校史上初の高円宮杯U-18プレミアリーグWESTへの昇格、そして2年連続で初戦敗退している冬の全国高校サッカー選手権へ全力で挑み、日本への置き土産となる結果を貪欲に求めていく。

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