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4番で復帰した大山がマルチ安打を放つ(資料写真)
4番で復帰した大山がマルチ安打を放つ(資料写真)

ギャンブル?根拠ある走塁?サヨナラ劇の裏で岡田阪神に現れた3つの変化…4番復帰した大山悠輔はマルチ安打

 プロ野球のリーグ戦が21日に再開、阪神は甲子園で横浜DeNAを迎え、0-0で迎えた9回二死一、二塁から小幡竜平(23)のサヨナラヒットで3連勝を飾った。通算2000投球回数を達成した先発の西勇輝(33)が7回を2併殺、無失点の好投、9回にはストッパー起用された石井大智(26)が三者連続三振で勢いをつけた。また不振で2軍落ちを直訴していた大山悠輔(29)が「4番・一塁」で復帰しマルチ安打をマークするなど、首位の広島を1.5差で追うチームに好材料が揃ってきた。

 横浜DeNAの度会は前進守備もバックホームがそれる

 

 タイミングはアウトだった。
 9回二死一、二塁。横浜DeNAのライトを守るルーキー度会は前進守備を敷いていた。4番手ウィックのウイニングショットであるカットボールを捉えた小幡の鋭い打球がライト前へ。三塁コーチの藤本内野守備走塁コーチは、迷うことなく、二塁走者の代走植田に本塁突入を命じた。小幡は「外野も結構前に来てたので植田さんの足でも難しいかなと思ったんですけど、藤本さんがめっちゃ(手を)回したので何とかセーフになってくれと思って待っていました」と言う。
 度会はやや山なりのダイレクトスロー。送球はショートバウンドとなり、しかも少し一塁側にそれた。タッチを急いだ山本は、そのボールをうまくミットに収めることができなかった。植田がヘッドでサヨナラホームを滑り駆けた。スポーツ各紙の報道によると、岡田監督は「あんなん止めたら。もう辞めるよ。オレはもう」と、らしい表現で、藤本コーチの判断と、植田の足を称えた。
 決してギャンブルではなく、代走植田の俊足がルーキーに与えたプレッシャーと、その度会の肩を考えての判断だろうが、交流戦の最終戦だった18日の日ハム戦で犯した「5つの走塁ミス」の反省が効いている。 
 岡田監督は、原口のファウルフライでタッチアップを躊躇した森下の走塁と、すぐ森下の後ろにいながら「GO」を指令しなかった藤本コーチの優柔不断さを指摘。「勇気を持て」と叱咤した。
 ゲームがない間の実戦形式の練習でもタッチアップで進塁を狙わなかったケースをメディアへのコメントを通じて注意した。その岡田イズムが、植田や藤本コーチの意識の中に浸透しての結果だった。タイムリーを期待できない状況。もし度会が、ストライク送球して本塁でアウトになっていても誰も批判などしない。
 そのサヨナラの舞台を作ったのは、投手陣の踏ん張りと岡田監督の差配だった。
 1回を投げ切り、史上94人目となる通算2000投球回到達のメモリアルを成し遂げた西勇は7回まで横浜DeNA打線を支配した。逃げずに内角を突き、丁寧に低めにボールを集める。1回一死一塁からオースティン、2回一死一塁から筒香をいずれも併殺打に打ち取り、4回一死一、二塁からは、宮崎、筒香を連続で内野ゴロに仕留めている。
 7回には二死一、二塁から西勇の打順に糸原を代打に送り、三浦監督が、先発のジャクソンから左腕の坂本にスイッチすると代打の代打ノイジー。ノイジーはファーストファウルフライに倒れたが、8回からは桐敷をマウンドに送り、一死一塁で、この日、3安打の度会に四球を与えると、オースティンを迎えたところで、漆原に代えた。

 

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