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全米ボクシング記者協会の表彰式でスピーチをした井上尚弥(写真提供・大橋ジム)
全米ボクシング記者協会の表彰式でスピーチをした井上尚弥(写真提供・大橋ジム)

「井上尚弥と戦う準備はできている」またしても…1m85あるKO率84%のWBO世界フェザー級王者エスピノーザが挑戦状

 プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31、大橋)にまたまた挑戦状を叩きつける世界王者が出てきた。4回TKOで初防衛に成功したばかりの1階級上のWBO世界フェザー級王者のラファエル・エスピノーザ(30、メキシコ)だ。米専門メディア「ボクシングシーン」が伝えたもの。フェザー級転向について井上は2026年になるとの意向を示しているが、フェザー級王者たちはモンスターの転級が待ちきれないようだ。

「彼と戦うのは私の夢のひとつ。倒すことでPFPファイターになれる」

 またしてもモンスターへの挑戦状が舞い込んだ。21日(日本時間22日)に米国ラスベガスで、同級2位のセルジオ・チリーノ(メキシコ)を4回TKOで仕留めてWBOフェザー級王座の初防衛に成功したエスピノーザだ。米専門メディア「ボクシングシーン」によるとエスピノーザは、試合後に、井上との対戦をこう熱望したという。
「彼と戦うのは私の夢のひとつだったからね。なぜなら、彼を倒すことで、私はパウンド・フォー・パウンドのファイターとなり、それが私の夢のひとつだからだ。私たちは(井上と対戦する)準備ができており、そうなることを喜んでいるし楽しみにしている。彼が(フェザー級に)出てくるのを待っているんだ」
 リング誌のパウンド・フォー・パウンドランキングで1位になっていた(現在2位)井上を倒せば、自らのそのランキングに入ることができるとの目論見もある。
 25戦(21KO)無敗で1m85と長身のエスピノーザは昨年12月に五輪で金メダルを2つ獲得しているWBO世界同級王者のロベイシ・ラミレス(キューバ)から2-0判定でベルトを獲得した。ラミレスは昨年7月には来日してロンドン五輪銅メダリストの清水聡(大橋)を倒して井上との対戦希望を口にしていた。戦前はエスピノーザの不利予想で、この勝利は“大番狂わせ”と報じられた。
 今回の初防衛戦は、その世界王座奪取がフロックかどうかを試される試合だったが、1回に相手の右の打ち終わりを狙った左のアッパーがカウンターになって1度目のダウンを奪い、3回には、右アッパーから左ボディのコンビネーションで2度目のダウン。ほぼグロッキーだった挑戦者を4回に連打から右アッパーが顎をとらえると、相手はその場で腰を折り下を向いて戦意喪失。レフェリーがTKOを宣告した。スピードはなく、まだスキルも、それほど高くないが、もし井上との対戦が実現すれば、KO率84%のパンチ力と、この1m85の異例とも言える身長は、厄介な障害となるのかもしれない。
 ただ前王者のラミレスが29日(日本時間30日)にブランドン・ベニテス(メキシコ)との再起戦を予定しており、もし勝った場合は、エスピノーザと再戦する可能性がある。
 井上は、米国での全米ボクシング記者協会による2023年の年間最優秀選手賞の授賞式から帰国した際に、フェザー級転級について触れ「あと1年。4、5試合は(スーパーバンタム級で)できる。今年2試合で来年いっぱい。イメージとしては(フェザー級挑戦は)1年先。まだ体の見通しもついていない。でも、来年いっぱいで、なんとか(フェザー級の)体を感覚的に作れるんじゃないかと」との見通しを明かした。
 2025年末まではスーパーバンタム級で戦い、フェザー級転級は2026年になるとの構想だ。
 エスピノーザだけでなく、IBF世界同級王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)、WBA世界同級王者となったばかりのニック・ボール(英国)らからもモンスターへの挑戦状が叩きつけられている。 
 ただWBCは暫定王者のブランドン・フィゲロア(米国)と正規王者のレイ・バルガス(メキシコ)との統一戦と指令するなど、今年から来年にかけてフェザー級戦線が大きく動く可能性があり、2026年に井上がフェザー級に挑戦をする際には、誰が王者で君臨しているかもわからない。フェザー級でのサバイバルマッチに勝ち残った王者が井上とのドリームマッチを戦う権利を手にすることとなる。
(文責・RONSPO編集部)

 

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