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57歳の三浦知良が国立競技場でJFLのアトレチコ鈴鹿への入団を発表した
57歳の三浦知良が国立競技場でJFLのアトレチコ鈴鹿への入団を発表した

なぜ57歳の三浦カズは“命の危険”を覚悟の上で現役続行を決めたのか…国立競技場でアトレチコ鈴鹿入団会見

 昨年9月に死去した父親の納谷宣雄さん(享年81)も、カズの体を心配していた一人だった。15歳だったカズが静岡学園高を1年で中退し、単身で乗り込んだブラジル留学を含めて、サッカー人生を後押ししてきた納谷さんは「ブラジルの知り合いも、みんな知良の体を心配している」と語った時期もあった。
 しかし、50歳を超えてからは「最後はあいつが決める」と走り続ける次男を見守り続けてきた。カズ自身、現役を続ける理由を口癖のようにこう語ってきた。
「サッカーが好きだ、ということに尽きると思う。子どものころからサッカーしか知らないし、だからこそサッカーには感謝している。サッカーに対して失礼のないように、常に全力を尽くしたいし、体と情熱が続く限りはやりたい」
 医師の検査を受けたように、体には一抹の不安を覚えている。しかし、情熱は衰えるどころか、ますます燃えさかっている。鈴鹿が空けて待っていた「11番」を背負うカズは、ポルトガルでの収穫を新天地でのプレーに反映させたいと抱負を語った。
「57歳の僕は周囲と比べても明らかに年齢が上だけど、逆にベテランらしくないプレーができたらいいな、と。ポルトガルでベテランと呼ばれる選手がそうだったように、果敢に1対1の勝負を挑んで相手ゴールに向かっていく。フォワードとはそういった前向きな姿勢が大事だと、ポルトガルのサッカーに触れてあらためて思ったので」
 契約は来年1月末までの半年だが、鈴鹿側は新体制のもとで、あらためてJ3への参入を目指していく来シーズンも延長する構想を描いている。求められて鈴鹿に復帰するカズは来月2日からチームに合流し、JFLへの選手登録が順調に進めば、ホームの三交鈴鹿にヴェルスパ大分を迎える、同14日の第16節から出場が可能になる。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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