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後輩ジョッキーと“喧嘩騒動”を起こした池添謙一(写真:山根英一/アフロ)
後輩ジョッキーと“喧嘩騒動”を起こした池添謙一(写真:山根英一/アフロ)

トラブル温床と3冠ジョッキーの“よからぬ評判”…なぜ池添謙一と17歳年下ホープ富田暁の“喧嘩騒動”が起きたのか…JRAは両者に騎乗停止処分…防犯カメラに一部始終

 日本中央競馬会(JRA)は28日、3冠ジョッキーの池添謙一(44、栗東・フリー)と若手のホープ、富田暁(27、栗東・木原厩舎所属)に対し、互いに粗暴な行為があったとして騎乗停止処分を下した。2人は、24日深夜から25日未明にかけて、滞在先の函館市内で口論から暴力行為に発展した。池添の「キレやすい性格」は競馬関係者の間では有名で、また遠征先での調整ルームでのトラブルも“ジョッキーあるある”だという。喧嘩両成敗とはいえ、加害者扱いとなった池添は開催4日間、富田は開催2日間の騎乗停止。ともに29、30日の騎乗予定馬はすべて乗り代わりとなった。

 酒の席で池添が絡み富田が逆ギレ

「起こるべくして起こった」と言わざるを得ない。
 今回の事件の発端はこうだ。関係者の話を総合すると2人は24日、函館市内の飲食店へ仲のいい複数の騎手と連れだって会食に出かけた。命がけの緊張感のある仕事をしている騎手の気持ちが最も解放されるのが日曜のレース後から月曜日に掛けての時間。今回、事件が発生した24日も、ちょうど、その月曜日だった。
 最初は、和気あいあいとしたムードだったが、酒が入り、互いに酔いが回り始めると、池添が富田に対して高圧的な態度をとり、しつこく絡んだという。
 この行為に耐えかねた17歳年下の富田が突然キレた。確信か偶然だったかは定かではないものの、近くにあったスマートホンをテーブルに叩きつけたところ画面にヒビが入り、あろうことか、その携帯が池添のものだったことから、さらなる悲劇を呼ぶ。
 池添は謝罪を求めて富田と激しい口論に発展。その場にいた同僚の騎手らが2人を引き離し、説得された池添は、ひとまず先に函館競馬場の調整ルームに帰った。一件落着かと思われたが、池添はスマホの画面を壊されたことと、後輩の富田の生意気な態度に怒りが収まらず、電話で富田に調整ルームに戻るように強要。1階のロビーで待ち構え、そこから再び口論となり、もみ合い、暴力沙汰の喧嘩に発展したという。
 この一件が明るみになったのは、26日に厩舎関係者からJRAなどに情報提供があったから。JRAは両騎手ならびに事情を知る関係者に対して事情聴取を行った。防犯カメラの映像などを確認した結果、粗暴な行為に及んだ一連の事案が、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第20号に該当するとし、2人には騎乗停止の処分が科せられた。
 あまりにも幼稚な喧嘩と言わざるを得ない。
 池添は言わずと知れたトップジョッキーである。父・兼雄さんは元騎手、調教師で人格者として知られ、弟の学さんも現調教師という競馬一家に育った。1998年に騎手デビューすると、38勝をマークし、最多勝利新人騎手賞に。その後もコンスタントに年間60勝前後を挙げ、6月28日現在で通算1381勝を挙げている。
 GⅠは27勝。2002年の桜花賞をアローキャリーで勝つと、「ここ一番に強い男」としてデュランダルやスイープトウショウ、ドリームジャーニーなどとのコンビで、豪快な追い込みを決めた。さらにオルフェーヴルでは、“3冠”を達成。2000年、2001年、2003年、2010年には、フェアプレー賞を受賞している。

 

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