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浦和レッズは守備の要アレクサンダー・ショルツの離脱を発表。カタール1部のアル・ワクラへの移籍が決定的(写真・アフロ)
浦和レッズは守備の要アレクサンダー・ショルツの離脱を発表。カタール1部のアル・ワクラへの移籍が決定的(写真・アフロ)

なぜ浦和レッズから主力の流出が相次いでいるのか…主将の酒井宏樹に続き副将ショルツもカタールクラブに移籍の緊急事態

 浦和レッズは28日、副キャプテンを務める守備の要、アレクサンダー・ショルツ(31)が海外クラブへの移籍へ向けた準備のためにチームを離脱すると発表した。カタールのメディアで報じられた、同国1部のアル・ワクラへの完全移籍が決定的になっている。浦和からはキャプテンの元日本代表DF酒井宏樹(34)も、海外移籍へ向けてすでにチームを離脱。司令塔の岩尾憲(36)も古巣のJ2徳島ヴォルティスへ移籍するなど、シーズン途中で退団者が相次ぐ異例の事態に直面している。

 

 シーズンの真っ只中で、キャプテンに続いて副キャプテンも海外移籍へ向けた準備のためにチームを去る。異例といっていい事態に浦和が直面している。
 キャプテンの酒井のチーム離脱が発表されてからわずか4日。昨シーズンに引き続いて副キャプテンを務める守備の要、ショルツの離脱も発表された。浦和が28日夕方に発表したリリースには、加入から約3年間にわたって喜怒哀楽を共有してきた、浦和のファン・サポーターへ向けたショルツの熱い思いが綴られている。
「共に闘い、共に思い出を作った3年間。悲しいですが、私はここでチームを去ります。浦和レッズでプレーする機会を与えてくれたクラブに心から感謝をしています。私は自分が何者であるかをみなさんに示すことができました。今の自分にある全てをこのクラブに捧げました。そして、みなさんはそれ以上のものを私に与えてくれました」
 デンマーク出身のショルツは、母国のミッティランから2021年夏に浦和へ加入。身長189cm体重84kgの巨躯を生かした力強い守備と、J1デビューから70試合目にして初めてイエローカードをもらった、昨年8月のサンフレッチェ広島戦が話題になるほどのクリーンなプレースタイルで、浦和の最終ラインを統率してきた。
 昨シーズンは最終的に全34試合、3060分にわたってフルタイム出場を達成。浦和のリーグ最少となる27失点を支え、センターバック(CB)を組むノルウェー出身のマリウス・ホイブラーテン(29)とともにJ1ベストイレブンに選出された。
 今シーズンは一転して、13試合の出場で5枚のイエローカードをもらい、累積警告による出場停止も初めて経験した。同時に浦和の総失点も、シーズン折り返しの19試合を終えた時点で昨シーズンの総失点27に並んでいる。
 今シーズンから浦和の指揮を執る、ノルウェー出身のペア=マティアス・ヘグモ監督(64)は攻撃的なスタイルを掲げる。その一環として、中盤の形は昨シーズンまでのダブルボランチを置く正三角形からアンカーを置く逆三角形にスイッチした。
 攻撃により多くの人数をかけていく分だけ、逆に守備陣、特にセンターバックは広いスペースをカバーしなければいけない。相手のビッグチャンスになりうる展開では、ファウルを覚悟で止めなければいけない状況も訪れる。浦和のチーム状態と激増しているショルツのイエローカードの数は、決して無関係ではないといっていい。
 カタール紙の『Al Watan』は28日に、2023-24シーズンの同国リーグで4位に終わったアル・ワクラの新シーズンへ向けた動きを次のように伝えている。
「新監督のもとで新たな補強を進めるなかで、浦和レッズの最終ラインを支えてきた、デンマーク出身のアレクサンダー・ショルツの合流が近づいている」
 母国以外にもアイスランドやベルギーでプレーした経験をもつショルツは、未知の国でのプレーを希望して浦和の一員になった。契約を半年残し、愛着深い浦和に移籍金という置き土産を残せる状況で、オファーが届いたアル・ワクラを立て直す仕事に、新たなモチベーションを見いだしたとしても決して不思議ではない。

 

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