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井上尚弥と拓真が揃ってWOWOWの収録に参加して今後の展望を語った
井上尚弥と拓真が揃ってWOWOWの収録に参加して今後の展望を語った

なぜ井上尚弥はWBAの指名試合指令を「嫌がらせ」と感じたのか…「ベルトにこだわりはない。剥奪でも返上でもぶっちゃっけどっちでもいい」

 実は、4団体の統一王者にベルトの返上、剥奪はつきもので、数日違いで、2階級4団体統一を井上尚弥より先にやってのけて、パウンド・フォー・パウンドの1位となったウエルター級4団体統一王者のテレンス・クロフォード(米国)は、早々とIBF王座を剥奪されたし、現在のパウンド・フォー・パウンド1位で、ヘビー級4団体統一王者のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)も12月21日にタイソン・フューリー(英国)とのリマッチを決めたため、指名試合を求めていたIBFが剥奪をちらつかせている。バンタム、スーパーバンタムでの2階級4団体統一を成し遂げて、ネリを相手に4本のベルトの防衛もした井上尚弥が、もはや4本のベルトにこだわる必要はない。 
 井上尚弥は、ここからのボクサーとしての評価は、ベルトの本数ではなく「試合の価値だ」と断言した。
「ここからすべてが防衛戦になる。(その試合の価値は)自分がどういうパフォーマンスするかにかかってくる。(大事なのは)そこですかね」
 そしてもうひとつ話題となっているのが、モンスターのフェザー級への転級問題だ。
 IBF世界フェザー級王者のルイス・アルベルト・ペレス(メキシコ)、王座を獲得したばかりのWBA世界同級王者のニック・ボール(英国)、そして21日(日本時間22日)に4回TKOでWBO世界同級王座の初防衛戦に成功したばかりの1m85と長身のラファエル・エスピノーザ(メキシコ)も、「井上尚弥と戦う準備はできている」と語るなど、すでに3人の王者から挑戦状を叩きつけられている。また米メディアや、複数の元世界王者らが「スーパーバンタム級に井上に対抗できる選手はいない。フェザー級での戦いがみたい」という論調でフェザー級転級を焚きつけている。
 井上尚弥は、すでにフェザー級転級の時期を2026年になることを明かし、この日に収録された番組内でも「頭の片隅に入れてトレーニングをしている。スーパーバンタム級の体を作って、次にフェザーの体を作り上げたときに考える」と答えるなど慎重だ。
 だが、一番近くで兄の姿を見ている拓真は、こう太鼓判を押した。
「しっかりとフェザーの体ができれば、全然、通用すると思う。そうなったときが楽しみ。(時期については)本人が感じていること。自分としては今でも通用すると思っている」
 次戦は、9月の第1週に都内で行われるドヘニー戦。27日にはOPBF東洋太平洋フェザー級1位にランキングされているドヘニーと同じサウスポーの中野幹士(帝拳)を相手にスパーリングも再開した。井上尚弥いわく内容は「上出来だった」という。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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