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男子100mは坂井隆一郎(右)が連覇したがパリ五輪代表は確定できなかった(写真・松尾/アフロスポーツ)
男子100mは坂井隆一郎(右)が連覇したがパリ五輪代表は確定できなかった(写真・松尾/アフロスポーツ)

男子短距離のパリ五輪代表はどうなる?男子100mは坂井隆一郎が12年ぶり連覇も参加標準記録を切れずワールドランキングに左右される代表切符争いは混沌

 栁田は個人種目で漏れても、リレーメンバーに選ばれるが、坂井の場合は個人で代表を得られなければ日本陸連が定めたリレー候補競技者の基準を満たしていないことになる。日本代表選手選考要項のⅲ)で選ばれる可能性があるとはいえ、優先順位は低くなってしまう。スタートダッシュが武器の坂井は1走が適任だが、果たしてどうなるのか。
 なお日本選手権で5位に終わった桐生は1)で候補競技者の基準を満たしているため、リレーメンバーに選出される可能性を残している。
「選ばれれば、リレーに合わせて調整をしていきます。カーブはアキレス腱を痛めてから、1回も練習していない。でも走るとしたら3走だと思うので、100mの練習ではなく、リレーの練習に切り替えると思います」と桐生は話していた。
 一昨年のオレゴン世界選手権は1走・坂井、2走・鈴木涼太、3走・上山紘輝、4走・栁田で臨むもバトンミスで予選敗退(失格)。昨年のブダペスト世界選手権は1走・坂井、2走・栁田、3走・小池祐貴、4走・サニブラウンとつないで5位入賞を果たしている。
 なおサニブラウンが出場したバハマ 2024 世界リレーの予選は1走・サニブラウン、2走・栁田、3走・上山、4走・三輪颯太というオーダーだった。ちなみに東田は大学時代、主に3走を務めていた。
 また日本選手権の男子200mを連覇して、パリ五輪代表が有力な鵜澤飛羽(筑波大)も男子4×100mリレーの出場を熱望している。「自分の持ち味を出すとしたら3走ですかね。チームのリレーでもやっているので、そこを任されると一番うれしいです。でもどこでもやれる準備はしていきます」と燃えていた。
 リレーに関しては、適材適所の人選が必要になる。どんなメンバーを組むことになるのか。
 日本陸連の山崎一彦強化委員長は、「サニブラウン以外はリレーも重視していきたい。チームジャパンとしてメダルを取るのは悲願ですので、選手たちにはその気持ちでやってほしいと思います」とメダル奪回に向けて、チーム強化を進めていく方針だ。
 パリ五輪のワールドランキングは他国の成績も含め、最終的に7月2日に確定となる。アスリートたちの〝運命の日〟は近い。
(文責・酒井政人/スポーツライター)

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