ヤクルトに逆転負けを喫した岡田監督がコーチ陣に激怒した
「勘違いするな!三塁コーチの判断にギャンブルはない」のセオリー…阪神の岡田監督が9回に本塁突入させて失敗した藤本コーチを叱責した理由とは?
岡田監督は、監督就任時に2005年の優勝時のスタッフだった経験豊かなOBの中西清起氏を呼び戻し、若い投手コーチとタッグを組む組閣を考えていた。だが、球団フロントからの提案もあり、思い切って1軍投手コーチ経験のない2人に任せる決断をした。「コーチを育てる」という意味も込めた抜擢だった。日本一となった昨年、岡田監督は「あの2人はほんまようやってるよ」と評価していた。ただやることなすことのすべてがうまくいった昨年は成功体験こそ多くあったが、今季のような危機的状況や失敗体験は少なかった。岡田監督が語るようにまだ「勉強」の過程なのかもしれない。
混戦の様相を見せているセ・リーグの戦いの中で、最も重要なのは、勝てるゲームを絶対に落とさないことだ。岡田監督が「大変な負けやでえ」と危機感を持つのは、そういうことだ。ほんの少しではあるが打線が機能し始めている、いい流れが、こういう負けを食らうと悪くなる。ここまで7点差をひっくり返された横浜DeNA戦や2試合連続のサヨナラ負けを喫したロッテ戦など「落としてはならないゲーム」をいくつか落としてきているが、それらのすべてにミスが絡んでいる。
なぜミスが出るのか。つきつめれば準備不足。
ただこの苦い経験を6月の時点でしていることには救いがある。
勝負は9月。いや近代野球では勝負は8月下旬からだが、岡田監督が、あえてコーチ陣に対して厳しい言葉を発しているのは、その勝負の9月に何が重要になるのかを教えているのだ。コーチを叱責することで間接的に選手へもメッセージを発信しているのかもしれない。準備の大切さは、痛いほど思い知った。教訓を生かすのはこの先のゲーム。貯金はゼロとなった。明日からは首位広島との重要な3連戦となる。