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WBA王者の井岡一翔がIBF王者との統一戦に向けての練習を公開した(写真・山口裕朗)
WBA王者の井岡一翔がIBF王者との統一戦に向けての練習を公開した(写真・山口裕朗)

「照準はバム」本当に井岡一翔は7.7両国で2団体統一に成功すれば“最強”WBC新王者ロドリゲスとやれるのか…当日リングサイド招待プランも

 ダイレクトリマッチは禁じられているが、エストラーダが倒される前の6回までのスコアカードは、一人は58-54でバムにつけていたが、一人は、57-56でエストラーダを支持、もう一人が56-56のドローという摩訶不思議な採点になっていた。フェアとは思えないスコアで、そもそもWBCは1年6か月も防衛戦をしていなかったエストラーダの王座を剥奪しないなど露骨なほどの優遇措置をとっている。その親密さと、6回までの結果としての採点を考えると、井岡との戦いを前にダイレクトリマッチが設定されても不思議ではない。
 さらにバムとの交渉が進む場合、バムが帝拳所属のため、Amazonプライムビデオでの配信が条件となる可能性がある。井岡陣営は今回の統一戦も無料配信するABEMAと協力体制を取っており、3団体統一戦が実現した場合、どこで配信するかという、もうひとつの難問も待ち受ける。またWBAは、井岡に暫定王者ヒメネスとのベルトの統一戦を命じている。マルティネスに勝った場合、ベルトを返上しない限り、その試合を先にクリアしなければならないだろう。
 だが、井岡陣営の関係者は、なんとかバムとの統一戦の気運を高めるために7月7日の両国のリングサイドに新王者を招待する計画を練っている。バムは、日本好きを公言。帝拳でのトレーニングや兄のフランコをサポートするために何度か来日している。
 しかしマルティネスという強敵を倒さねば物語は始まらない。
 井岡は米国ラスベガスで約4週間のトレーニングを積んできた。マルティネスに似たタイプで、3月にWBC世界フライ級王座に挑戦したばかりの同級5位のアンジェリーノ・コルドバ(ベネズエラ)らを相手にトータルで約100ラウンドのスパーを消化。すでに減量もリミットまで3キロで、いつもより仕上がりのペースが早い。
「ボクシングのトレーニングの内容は変わらないが、意識の高め方や気持ちの作り方の部分で、より一層、自分と向き合って磨きをかけてきた。気合も入っている。その気持ちを動きに連動させてハードワークをこなしてきた。できることはやれた。自分自身を毎試合超えるつもり。7月もひとつの(自分への)挑戦。前回と一緒だと意味がない。やる限り成長を求めていきたい」
 入念にマルティネス対策も練った。
「マルティネスは距離が近く接近戦に強い選手。その距離の戦いで勝らないと止めることはできない。彼が得意とする距離でボクシングをするなかで僕が上回っていくためにラスベガスで重点的に取り組んできたことに手応えはある。打ち合うをするだけじゃ意味がない。僕のボクシングスタイルのなかで、彼を上回ればいいと作ってきた。より近い距離での試合になる」
 IBF王者は、リオ五輪代表でアマチュアの下地がありプロで16戦無敗(9KO)。インファイトを得意とする好戦的なフックファイターで、ボディ打ちもうまく手数が出続けて下がることを知らない。中間距離からは右フックを独特の角度で放ってくる。マルティネスのエネルギーに根負けして下がっていてはポイントを奪われて勝ち目はない。
「気持ちも体も作れている状態。結果としていい試合を見せられる。明確な勝ち方で勝ちたい」
 未来を広げるために絶対に負けられない戦いだ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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