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パリ五輪の代表メンバーを発表した大岩剛監督(左)と山本昌邦ナショナルチームダイレクター
パリ五輪の代表メンバーを発表した大岩剛監督(左)と山本昌邦ナショナルチームダイレクター

サッカーパリ五輪代表は「呼びたくても呼べなかった」OA組と松木玖生を抜きで本当に悲願のメダルを獲得できるのか?

 しかし、五輪を年代別の日本代表が臨む、最後にして最大の舞台としてとらえれば、結果がどうであれパリ大会の存在価値も変わってくる。
たとえばアトランタ大会以降で、唯一のグループステージ全敗で敗退した北京大会のメンバーからは、MF本田圭佑、MF香川真司、DF長友佑都、DF内田篤人、吉田、FW岡崎慎司らがその後のA代表を長く担う存在へと羽ばたいている。彼らの成長を後押しした要素のひとつは、間違いなく北京の地で味わわされた悔しさだった。
 パリ五輪を戦い終えれば、選手たちが目指していく舞台は、おのずと年齢制限のないA代表だけとなる。2004年のアテネ五輪でU-23日本代表の指揮を執った山本NDも、五輪は選手個々のキャリアにおける通過点でもあると強調した。
「この後のW杯予選に、このなかから何人が上がっていけるのか。それが日本の未来にもつながるし、その意味でもパリ五輪で成長を遂げてほしいと期待している」
 大岩監督の会見に続いて、関東近郊のJクラブからパリ五輪代表に招集された選手たちが同じ会場に集って抱負を語っている。その一人、J1の首位に立つFC町田ゼルビアのFW平河悠(23)は、オーバーエイジ不在をポジティブに受け止めた。
「確かに経験では劣るかもしれない。それでも、お互いにより理解している関係はメリットになる。オーバーエイジがいないから劣る、と言われたら決してそうではない」
 その上でパリ五輪後に待つ、新たな戦いへも視線を向けている。
「(W杯は)自分の最終目標でもあるので、まずはパリ五輪にかける思いをしっかりと表現した上で、その先にも食い込んでいけるような大会にしたい」
 大岩監督は約40分間の会見を通して、これまでと同じく「選んだ選手が、その時点でのベストメンバー」という言葉を何度も繰り返した。チームは国内合宿や国内での壮行試合を行わず、15日までにフランスの地で18人全員が集結。17日の開催国U-23フランス代表との国際親善試合(トゥーロン)をへて、パラグアイ、マリ、イスラエル各U-23代表とグループステージを戦うパリ五輪への最終的な調整を進めていく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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