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2団体統一戦の調印式でグローブをチェックするWBA王者の井岡一翔(写真・山口裕朗)
2団体統一戦の調印式でグローブをチェックするWBA王者の井岡一翔(写真・山口裕朗)

明日七夕決戦!井岡一翔の戦いは本当に「これが最後」となるのか…敵陣営“親分”メイウェザーの“天敵”だった元2階級制覇王者マイダナ氏が示したリスペクトの意味

 4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(35、志成)とIBF世界同級王者フェルナンド・マルティネス(31、アルゼンチン)の2団体統一戦(7日・両国国技館)の調印式並びにグローブチェックが5日、都内のABEMAシャトースタジオで行われた。マルティネスのプロモーター&マネージャーを務める元2階級制覇王者のマルコス・マイダナ氏(40)も登場、井岡へのリスペクトと同時に「ベルトを持って帰る」と宣戦布告。一方の井岡は「これが最後になるかもしれない」との壮絶な覚悟を口にした。

 

元2階級制覇王者でメイウェザーの天敵だったマイダナ氏がマルティネスのプロモーターだ(写真・山口裕朗)

「井岡は完璧でインテリジェンスのある選手だ」

 

「ピィー!」
 調印式会見となったABEMAのスタジオに指笛が響いた。
IBF王者のマルティネスが、ガムを噛みながら「グレートで歴史に残る戦いをしたい」と意気込みを語ると、並んで座っていたサングラスをかけてタトゥーを袖口から覗かせた“いかつい男”が鳴らしたのだ。
 元WBA世界スーパーライト、同ウエルター級の2階級制覇王者のマイダナ氏。アルゼンチンのボクシング界の英雄だ。現役時代には無敗のフロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)の“天敵”と呼ばれた。
 2014年に2度対戦。第1戦で0-2判定で敗れたが、マイダナ氏が荒っぽいパワーと手数で追いつめ「勝っていた」との声が高まったため、両者は、4か月後に再戦。マイダナ氏は、0-3で判定負けしたが、3ラウンドに右のフックでメイウェザーをぐらつかせ“天敵”としての見せ場を作った。その2試合で1500万ドル(約24億3000万円)を手にしたとされるマイダナ氏は、引退後、プロモーター&マネージャーに転身し、マルティネスとは、5年前のプロ転向の際から契約を結んでいる。
「マルティネスに特にアドバイスはしていない。もう必要はない。練習してきたものをすべて出すだけだ。トレーナーのロドリゴが作戦を全部作った。私たちは観客として試合を見るだけだ」
 井岡の映像は「昨日見た」という。
「完璧でインテリジェンスのある選手だと思う」と分析した上で「私たちは歴史を作りたいと思ってやってきた。彼が持っているタイトルをもらうつもり。アルゼンチンで(初の)統一王者になると思う。明後日もいい試合になるだろう」と宣戦布告した。
 だが、アルゼンチンの英雄はジェントルマンだった。元世界王者のプロモーターにありがちな下品なプロモーションなどしない。
 35歳になった井岡の年齢に関しても「年齢など(戦いに)関係ない。私は31歳(実際は33歳)で引退したが、それはやめたかったからだ。井岡もマルティネスもいい時代にいる。スペクタクルな試合をやれると思う。明後日もとても重要な試合だ」と真摯に返した。だからこそなおさら不気味さが漂う。

 

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