明日七夕決戦!井岡一翔の戦いは本当に「これが最後」となるのか…敵陣営“親分”メイウェザーの“天敵”だった元2階級制覇王者マイダナ氏が示したリスペクトの意味
マルティネス自身は井岡に勝ちベルトを統一すれば「4団体統一を狙いたい」と明かしていた。次戦の候補としては“レジェンド”のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)を倒してWBCの新王者となったジェシー“バム”ロドリゲス(米国)と7月20日に両国での初防衛戦を控えるWBO世界同級王者、田中恒成(畑中)がいる。マルティネスは「条件のいい方と戦いたい。できれば日本に戻ってきたい」と口にしたが、マイダナ氏は、こう答えた。
「今回の試合がすべてだ。今未来を語るときではない」
それだけ、この試合を重要視し、しかも、この戦いが簡単ではないことを認識しているのだ。
一方の井岡もマルティネスへの敬意を示した。
アルゼンチンのメディアからマルティネスの評価を聞かれ「IBFのチャンプであるということがすべてを物語っている。アンカハスに2度勝ってタイトルを保持している。彼のキャリアもリスペクトしている。だからこそ超えない壁。戦いたいという気持ちがあった。この試合が実現して満足している」と返答した。
井岡は、2021年の大晦日に当時のIBF世界同級王者だったジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との統一戦が決まっていたが、新型コロナウィルスの影響で政府が外国人の入国を制限していたため延期となった。交渉が続けられていたが、そのアンハカスが“番狂わせ”でマルティネスに敗れ、しかも再戦でも敗れたため、井岡が、当初のターゲットを見失うという経緯があった。ある意味、マルティネスは井岡が描いたプランを狂わせた因縁の相手なのだ。
そしてこの統一戦に賭ける壮絶な覚悟がある。
4階級制覇を成し遂げてから何度か口にしてきた「負けたら引退」の“哲学”を改めて公の場で明かしたのだ。
「やりたくても続けられるかわからない職業。1戦、1戦が大事な試合、次の試合もとても大事な試合。もしかしたら最後の試合になるかもしれない。やりたくてもやれないというのが人生だと思う。先のことも大事だが、自分にとって、この年齢になって、より一層、一戦、一戦、大事な気持ちで戦っている」
5歳と2歳の可愛い子供が「父の世界王者としての戦い」を認識するまで現役を続けたいとの思いがある。
「家族の存在はとても大きい。ただ応援サポートしてくださっている方々がたくさんいる。そういった気持ちを背負って戦う」とも語るが同時に「負ければ引退」の十字架を背負ってリングに向かう。
果たして井岡の戦いは本当に「これが最後」となるのか。