明日七夕決戦!井岡一翔の戦いは本当に「これが最後」となるのか…敵陣営“親分”メイウェザーの“天敵”だった元2階級制覇王者マイダナ氏が示したリスペクトの意味
米国から来日した“参謀”のイスマエル・サラストレーナーは「2人の試合は、おそらく年間最高試合になるだろう」と予測した。それだけ激しい消耗戦になることを覚悟している。
マルティネスは、足を止めてプレスをかけてくる超攻撃ファイター。アンカハス戦では終始パンチを出し続けた。ボディ、フックを上下へ浴びせるスイング系のショートに加え、角度を変えた右も打ち込んでくる。井岡は「彼の得意とする近い距離での戦いで上回りたい」と語っているが、手数で打ち負けて、下がる展開となると世界的なジャッジの傾向から見てポイントはマルティネスに流れる。
一方でマルティネスは超攻撃的だからこその隙もある。アンカハスはサウスポーだったので参考にはならないのかもしれないが、右のフックのカウンターを打ち終わりに何発かヒットさせていた。勇気を持って井岡がインサイドからカウンターを打てるかどうかがポイントになる。
無尽蔵なスタミナがマルティネスの持ち味だが、この日は、2日前の公開練習時に比べて、明らかにゲッソリと頬がこけ、急激な減量の影響が見られた。会見中はずっと唾を出すためにガムを噛んでいた。
公開練習時には「すでにリミット(52.1キロ)」と語っていたが、この日は「2キロ減らした。もうリミットに近い。明日、体重計に勝たないと…」とトーンが変わっていた。来日した時点で3キロオーバーだったそうだが、日本という慣れない環境で、もしかすると減量に苦労しているのかもしれない。実力的に拮抗している2人の戦いの勝負を分けるのは、コンディションとペースの奪い合いを制するためのメンタル。もし、そのコンディションにIBF王者に問題があるのであれば井岡が悲願の統一王者になる確率がひとつアップしたことになる。
なお使用グローブは井岡が日本製のウイニング、マルティネスが米国製のエバーラスト。両者は、今日6日の計量を経て(ABEMAで生中継)いよいよ7日に運命のゴングを迎える。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)