「スペインが歴史的な呪いに終止符を打つ!」ユーロ準々決勝で延長戦の“死闘”を2-1で制して開催国ドイツを撃破…準決勝はスペインVSフランス
ユーロ2024の準々決勝が5日(日本時間6日)、ドイツのシュトゥットガルト・アレーナで行われ、スペイン代表が延長戦の末に2-1で開催国ドイツ代表を撃破し、2大会連続のベスト4進出を決めた。試合終了直前に追いつかれたスペインは、延長後半14分に、MFミケル・メリーノ(28、レアル・ソシエダ)が劇的な決勝ゴールを決め、両チーム合わせてイエローカードが16枚も飛び交った死闘に決着をつけた。9日(同10日)の準決勝ではフランス代表と対戦する。
漂いはじめたPK戦突入への気配を、会心の一撃で断ちきった。開催国ドイツとの息詰まる死闘に決着をつけ、スペインを2大会連続のベスト4に導いたヒーローは、日本代表MF久保建英(23)のチームメイト、メリーノだった。
1-1で迎えた延長後半14分。左サイドからMFダニ・オルモ(26、ライプツィヒ)がゴール中央へ緩やかなクロスをあげる。ジャンプしても弾き返せないと判断したドイツのセンターバック、アントニオ・リュディガー(31、レアル・マドリード)が振り返った背後のスペースへ、メリーノがあうんの呼吸で走り込んできた。
滞空時間の長いジャンプから、リュディガーの頭上を越えて落ちてきたボールを頭でヒット。ドイツが誇る守護神、マヌエル・ノイアー(38、バイエルン・ミュンヘン)が一歩も動けない決勝点をゴール左隅へ流し込んだ。
スペイン紙の『MARCA』は「スペインが歴史的な呪いに終止符を打った」と、劇的な勝利がもつ付加価値を伝えた。過去16大会に出場したW杯だけでなく、12大会目の出場となったユーロを含めて開催国に勝った初めての一戦になったからだ。
「スペインは長い歴史に、忘れられない1ページを書き記した。開催国ドイツの地でドイツ代表を打ち負かすのは、リオデジャネイロの聖地マラカナンでブラジル代表に勝利するのに等しい偉業だ。時間の経過とともに攻撃の酸素ボンベを装着したスペインは、ドイツを圧倒していたはずなのに延長戦にもち込まれた。攻撃のカードをすべて切った状況で突入し、ヒーローが求められた延長戦でダニ・オルモは鎖を解かれ、ミケル・メリーノがスペインに不可能はないと証明するゴールを決めた」
キックオフ前の時点での対戦成績が、スペインから見て8勝9分け9敗。直近ではグループステージでそろって日本に負けた、2022年のカタールW杯で引き分けている両国の激突は、16枚ものイエローカードが飛び交う死闘と化した。
前半のキックオフからわずか8分。スペインのMFペドリ(21、バルセロナ)が2度目の激しいファウルを受けて左膝を負傷。プレー続行が不可能となり、オルモとの交代を余儀なくされた。ペドリを激しくチェックしたのは、今大会をもって現役を引退する司令塔のトニ・クロース(34、レアル・マドリード)だった。
スペイン紙の『MUNDO DEPORTIVO』は、クロースにイエローカードを提示しなかった、イギリスのアンソニー・テイラー主審(45)を非難している。
「トニ・クロースがペドリに見舞った2度のタックルは、ともにイエローカードが提示される必要があった。つまり、クロースは退場処分を受けるに値した」