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ユーロの準々決勝でスペインが延長の死闘を制して開催国ドイツを2-1撃破(写真・AP/アフロ)
ユーロの準々決勝でスペインが延長の死闘を制して開催国ドイツを2-1撃破(写真・AP/アフロ)

「スペインが歴史的な呪いに終止符を打つ!」ユーロ準々決勝で延長戦の“死闘”を2-1で制して開催国ドイツを撃破…準決勝はスペインVSフランス

 

 しかし、試合を動かしたのはペドリに代わったオルモだった。
 0-0で迎えた後半6分。右サイドでパスを受けたFWラミン・ヤマル(16、バルセロナ)がドイツの左サイドバック、ダヴィド・ラウム(26、ライプツィヒ)との1対1を制して、利き足の左足から絶妙のクロスをゴール前へ供給。走り込んできたオルモがワンタッチで右足を合わせ、ノイアーの牙城に風穴をあけた。
 前出の『MUNDO DEPORTIVO』はオルモだけでなく、今大会で3つ目のアシストを決めた、13日に17歳になるヤマルを称賛している。
「予想通りオープンで互角な展開となったなかで、スペインはやや低調なプレーに終始していった。もっとも、辛抱したのはラミン・ヤマルが再び輝きを放つまでだった。16歳の少年は右サイドで再び決定的なプレーを見せた。彼はラウムを翻弄しながら、ダニ・オルモが完璧なタイミングで走り込んでくるのを待ち、オルモのゴールを演出した。ドイツはペドリを壊したが、彼に代わったオルモがゴールを決めた」
 そのままスペインが逃げるかに見えた後半44分。ドイツが執念を見せる。
 左サイドからあげられたクロスを、DFヨシュア・キミッヒ(29、バイエルン・ミュンヘン)が相手と激しく競り合い、最後は自身の体をゴールラインの外へ投げ出しながらバックヘッドでボールを残す。魂のプレーに反応したのが、今大会の第1号ゴールを決めていたMFフロリアン・ヴィルツ(21、レバークーゼン)だった。
 2023-24シーズンを無敗で制したレバークーゼンをけん引し、ブンデスリーガのMVPを獲得したヴィルツがダイレクトで放ったボレーは、左ポストにあたってゴールへ吸い込まれる。攻撃のカードを次々と切り、リスクを冒した布陣に変えた末に振りだしに戻したドイツだったが、最後の最後で力尽きてしまった。
 スペイン紙の『AS』は同国の勝利とともに、レアル・マドリードで10シーズンにわたってプレーし、数々の伝説を打ち立てたクロースの最後の勇姿も伝えている。
「ドイツ代表選手はスペイン戦での敗退とともに、目標に掲げていた優勝よりはるかに早い準々決勝でスパイクを脱いだ。最後となった試合でも、彼の存在感は際立っていた。運命に導かれるかのように、最後の相手はスペインとなった」
 もっとも、スペインも勝利とともに大きな代償を支払っている。
 DFロビン・ル・ノルマン(27、レアル・ソシエダ)とキャプテンのFWアルバロ・モラタ(31、アトレチコ・マドリード)が今大会で2枚目のイエローカードをもらい、延長後半のアディショナルタイムに2枚目のイエローカードをもらって退場したDFダニエル・カルバハル(32、レアル・マドリード)とともに次戦は出場停止となる。
 退場時には涙を流したペドリが、中3日で回復するかどうかも微妙といっていい。準決勝の相手はポルトガルとのPK戦を制したフランスに決まった。ドイツを抜いて歴代単独最多となる、3大会ぶり4度目の優勝へ。スペインをさらなる試練が待ち受ける。

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