「バレーの石川祐希には負けたくない」パリ五輪ボクシング代表の岡澤セオンが中央大の同級生ライバルとの金メダル競演を誓う…「彼は見えない努力をしている」
「金メダルを獲った後にやりたいことがたくさんあるんです」
東京五輪で金メダルを獲得後、翌年に引退した入江聖奈のように、結果次第ではセオンもパリ五輪が競技生活の最後になる可能性がある。
「パリで終わっていいくらいにも思っている。でも、その後の全日本に出るかもしれないですがね。正直、一番強いことを証明するのなら、67キロで世界選手権を獲った、あれでいい。優勝するまで7回も勝たないといけないバケモントーナメント。今では、それは凄い、よく獲ったなあと。もう無理っす。でも、東京五輪で負けた後より取材はこなかった。世の中に影響力が一番あるのは五輪なんですよ。入江が金メダルを獲ったことで女子ボクシングの地位が明らかに上がった。僕もああなりたいし、金メダリストになってアマチュアボクシング界をもっと広げたい。頑張っている選手にスポットライトを当てたいんです。そう考えると、パリ五輪で金メダルを獲った後に続けることがベストかもしれない」
男子の金メダルは、2012年にミドル級で獲得した村田諒太氏以来出ていない。その村田氏が東京五輪前に代表候補を集めてオンラインで行なった講習会に参加したことがあり、今も忘れられない言葉がある。
「金メダリストにならないと見えない景色があるんだよ」
セオンが続ける。
「村田さんは、それが見えたからプロには行かないと言っていたのにプロに行ったんだと思う。僕にも金メダリストになってみないと見えないものがあると思う。アマチュアボクシングを見てもらうために具体的にどうするか。金メダリストの僕にしかできないことが出てくる。出てきてくれないと金メダルに夢はない」
ただプロ転向については、「僕はプロでは勝てないでしょう」と否定的だった。
悲願の金メダルへ。セオンと57キロ級代表の原田の2人は18日に羽田空港からパリ行きの飛行機に乗る。