「私なら気づいていたわ」テニス“女王”ウィリアムズの約25億円を騙し盗まれた大谷翔平を皮肉ったスピーチにSNSで批判殺到
米スポーツ専門局のESPNが表彰する「ESPY賞」の授賞式が11日(日本時間12日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、ドジャースの大谷翔平(30)が4年連続で「最優秀MLB選手賞」を受賞した。MCを務めた女子テニス界の“レジェンド”セリーナ・ウィリアムズ(42)がスピーチで、スポーツ界の男女の賃金格差を訴える比喩として、大谷が水原一平被告(39)に1600万ドル(約25億円)を盗まれた事件を例に出して「男性アスリートは女性アスリートより多くの報酬をもらっているから大谷投手は気がつかなかった。私なら気づいた」と問題発言。波紋を呼びSNS上で批判が殺到する炎上騒ぎが起きている。
アスリートの男女賃金格差を訴える例として
スポーツ界のアカデミー賞と呼ばれる「ESPY賞」の授賞式でMCを務めたウィリアムズのスピーチが波紋を広げた。
ウィリアムズは、スポーツ界に根強くある男女の賃金格差を訴える比喩として、大谷が元通訳の水原被告に騙され、違法なブックメーカーへの賭けで作った借金を返済するために1600万ドル(約25億円)もの大金を銀行口座から盗まれた事件を持ち出して「今年のスポーツ界で最もクレイジーな話題の1つがドジャースの大谷翔平投手の話だった」と切り出した。
「彼は通訳に1600万ドル(約25億円)を盗まれたが、それに気づかなかった。1600万ドル(約25億円)よ。男性アスリートは女性アスリートよりもはるかに多くの報酬を得ている。だから、彼らは1600万ドル(約25億円)を失ったことにさえ気づかない。私なら気づいていたわ」
グランドスラムを男女を含めて歴代最多の39回も制しているウィリアムズのジョークを交えたスピーチは会場を沸せたという。
スポーツビジネスに詳しいSPORTICOによると2023年の女子アスリートで最も稼いだのはテニスのココ・ガウフ(米国)の2300万ドル(約36億3000万円)で対する男性アスリートのトップは、サウジアラビアのクラブでプレーしているクリスティアーノ・ロナウドの2億7500万ドル(約424億円)。ウィリアムズが男女格差の是正を訴えたのも無理はない。だが、海外の表彰スピーチではつきもののジョークだったにしろ、大谷の事件を引用したのは、まずかった。その発言は物議を醸してSNS上で批判の声が殺到した。
米サイト「スポーツキーダ」も「あなたのジョークは品がない」というファンの代表的なコメントを見出しにとって、この炎上騒ぎを取り上げ、SNSでの批判的な声を紹介している。
「大谷の名前を出すと反応がいいからジョークに使ったんだろう」
「ジョークにしては品がなかった。あなたは彼に謝罪する義務がある」
「いやジョークではすまない。大谷の名前を汚した。大谷が盗まれたことに気づかないわけがないと言っているのだ。大谷がどんな人物なのか、背景も知らずに盲目的に非難しているのは馬鹿げている」
「女性アスリートが低賃金でいるのがクールではないのと同じように、信頼を裏切られ、何百万ドルもだまし取られることもクールではない」