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竹迫(左)とディキンソン(右)はフェイスオフで火花を散らした。トーナメント優勝者に贈られるベルトも作られた
竹迫(左)とディキンソン(右)はフェイスオフで火花を散らした。トーナメント優勝者に贈られるベルトも作られた

超破格の賞金総額2億円のミドル級大会のなんともトホホな開催前夜…国内配信&放送は無しで前日計量の国内取材記者はたったの2人?!

 プロボクシングの英国大手プロモート会社「マッチルーム」が楽天チケットと組んで日本初進出を果たすミドル級の賞金トーナメント「PRIZE FIGHTER」(15日・大和アリーナ)の前日計量が14日、大阪・心斎橋の日航ホテルで行われ、出場8選手全員がパス。ただ一人の世界ランカー、キーロン・コンウェイ(28、英国)が1回目の計量で150グラムをオーバーしたが再計量でクリアした。賞金総額130万ドル(約2億円)という破格のファイトマネーの異色大会で、欧米ではDAZNでライブ配信され、“国内ミドル級最強”の元OPBF東洋太平洋ミドル級王者の竹迫司登(33、ワールドスポーツ)も緊急参戦するが、国内での配信や放送はなく、せっかくの話題の大会をファンは見ることができない。

 日本からもトップ3選手が参戦

 “一攫千金”のミドル級賞金トーナメント1回戦、4試合の前日計量は、狭い会場に、海外から来日した5選手のそれぞれの地元から飛んできた応援団が、国旗を持ってつめかけて大賑わいだった。
 参加8人中、ただ一人の世界ランカー、WBA15位のコンウェイがミドル級のリミットの72.57キロを150グラムオーバー。当初、立ち合ったJBC関係者や、対戦する相手陣営からの指摘もなく、このトーナメントに日本&WBOアジアパシフィックミドル級王者の国本陸(六島)を送りだしている枝川孝会長が「オーバーやないか」と声を張り上げるアクシデントはあったが、2時間の猶予の再計量でクリア。8選手が無事に揃ってトーナメント1回戦のリングに登場することになった。
 全試合が10回戦で行われる今大会の売りは総額2億円の破格の賞金だ。今日の1回戦は勝者が15万ドル(約2355万円)で敗者が7万5000ドル(約1177万円)、準決勝が勝者が25万ドル(約3925万円)で敗者が12万5000ドル(約1962万円)、決勝は勝者が60万ドル(約9420万円)で敗者が25万ドル(約3925万円、加えて大会ごとに10万ドル(約1570万円)のKO賞が設けられており、その金額をKO勝ちした選手で山分けすることになっている。もし決勝までの3試合すべてをKOで優勝すれば、総額で約2億円を手にすることができる。
 マッチルームのフランク・スミスCEOが「賞金100万ドル(約1億5700万円)は人生を変えるチャンスだ。ミドル級最高の男が勝つだろう」と豪語しているのも過大広告ではない。
 国内からは3選手が出場。目玉は、現在ベルトは保持していないが“国内ミドル級最強”の竹迫だろう。対戦相手は6勝(2KO)無敗のマーク・ディキンソン(英国)。24歳の新鋭で、計量後のフェイスオフでは、自らの胸を叩き、何やら気合を示したが、竹迫曰く、前日にも撮影用のフェイスオフがあり、さらに激しい挑発をしてきたという。
「なんか映像用に無理に作っているのがみえみえでオーラのような感じるものは何もなかったですね」
 竹迫は5月11日に韓国でテイジ・プラタップ・シン(豪州)に1-2判定で敗れ王座から陥落した。今回は再起戦。1週間後には練習を再開したという。
「チームでミーティングを重ねて試行錯誤して調整方法を大幅に変えました。食事と練習量です。データを重視しすぎて、一番大切な自分の体感がないがしろになって練習過多になっていました。今回は頬のこけ感もなく落とせた。試合では自分の良さを出したい。これまでは少しディフェンス寄りになって手数も減っていた。やはり自分の良さは、1ラウンドからガンガンいく攻撃力。KOで勝ちます」
 計量後に妻の準備した梅干し入りの白湯をゆっくりと飲んだ。竹迫は、地元大阪出身で、今日15日が33歳の誕生日。負けるわけにはいかない。

 

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