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ユーロ2024の決勝はスペインが2-1でイングランドを下し史上最多となる4度目V(写真・ロイター/アフロ)
ユーロ2024の決勝はスペインが2-1でイングランドを下し史上最多となる4度目V(写真・ロイター/アフロ)

「魅せるサッカーと才能で再び世界を魅了した」スペインが2-1でイングランドを下して歴代最多となる4度目のユーロ王者

 

 チームの大黒柱で、決勝後には大会MVPを獲得したMFロドリ(28、マンチェスター・シティ)がピッチに現れない。前半にシュートブロックに飛び込んだ際の負傷による想定外の交代を、前出の『MARCA』は悲観的に伝えた。
「ロドリはスペインのボスであり、ここ数年は怪我とほぼ無縁のシーズンを送ってきた。その彼がピッチを去る際に流した涙は、チームが灯台を失った状況を意味する。ロドリの負傷退場は、決勝戦を複雑な展開に導きかねなかった」
 しかし、スペインには若い力が脈打っていた。
 後半開始わずか2分。右サイドでパスを受けラミン・ヤマル(17、バルセロナ)が、得意のカットインでペナルティーエリア内へ侵入してくる。フリーで走り込んできたキャプテンのFWアルバロ・モラタ(31、アトレティコ・マドリード)にイングランド守備陣は引きつけられた瞬間に、ヤマルは利き足の左足をボールにヒットさせた。
 ターゲットはファーへ侵入してきたFWニコ・ウィリアムズ(22、アスレティック・ビルバオ)。決勝前日に誕生日を迎えたヤマルから、同じく2日前に年齢を重ねたウィリアムズへのホットラインが開通し、スペインが先制点をもぎ取った。
 バルセロナに拠点を置く同国のスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、大会最多の4アシスト目からウィリアムズが決めたゴールを洒落た表現で伝えている。
「誕生日を祝うろうそくを吹き消したばかりのラミンとニコが、ロドリの不在とともに漂いはじめた疑念と恐怖をすぐに杞憂に変えてくれた。大会中とあって彼らのパーティーは開かれなかったが、2人は決勝の舞台で自分たちを祝う大仕事を成し遂げた」
 イングランドも初優勝にかける執念を見せる。
 2枚目の交代カードでパーマーを投入してから、わずか3分後の後半28分。パーマーからパスを受けたFWブカヨ・サカ(22、アーセナル)が右サイドで仕掛ける。そして、ペナルティーエリア内へ通したサカのパスを、21歳にして「10番」を背負うMFジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)が、ゴールと反対方向へ落とした。
 走り込んできたのはパーマー。左足から放たれた一撃はゴールの左隅、ここしかないコースを正確に射抜いた。ベリンガムは後半19分にほぼ同じ位置でボールを受け、巧みなターンから左ポストをかすめるシュートを放っている。

 

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