日本初上陸のマッチルーム賞金総額2億円ミドル級トーナメントで勝利した日本人ボクサーが2人で合わせて破格の約5300万円をゲット!
英大手プロモート会社マッチルームが楽天チケット、スポーツマネジメントNSNと組んで日本に初進出した賞金総額2億円のミドル級トーナメント「PRIZE FIGHTER」の1回戦4試合が15日、大阪府吹田市の大和アリーナで行われ、元OPBF東洋太平洋ミドル級王者の竹迫司登(33、ワールドスポーツ)が、6戦無敗だった新鋭のマーク・ディキンソン(25、英国)に3-0判定勝利。WBOアジアパシフィック&日本ミドル級王者の国本陸(27、六島)は可兒栄樹(22、T&T)に5回1分6秒にTKO勝ちし、準決勝に駒を進めた2人は、10月に幕張メッセで激突する。2人は15万ドル(約2370万円)というノンタイトル戦では破格のファイトマネーを手にし、国本はそこにプラスして約525万円のKO賞をゲットした。また1回戦の残り2試合はWBA15位のキエロン・コンウェイ(28、英国)、アーロン・マッケンナ(25、アイルランド)が共にTKO勝利した。
竹迫司登が英国の6勝無敗の新鋭に3-0判定勝利
ミドル級賞金トーナメント1回戦のベストファイトだった。
竹迫とディキンソンは最後まで激しく打ち合った。
10ラウンド終了のゴングを聞いた竹迫は「すべてを出し切ったが、どっちが勝ったか正直わからなかった」という。
読み上げられたジャッジペーパーは「96―94」「97―93」「98―92」。日本人ジャッジ3人は、竹迫を支持した。
「33歳の誕生日に地元の大阪で勝てた。運があった。感謝しかない、ボクシングの1回の負けは大きい。普通は負けた2か月後にこんなチャンスはもらえない」
竹迫は、喜びを隠さなかったが、リングサイドで大声を出し続けていた英国から来たディキンソンの応援団とディキンソン陣営は判定結果に大激怒。スタッフがマッチルームの責任者に抗議する場面もあった。
6戦無敗の英国から来た新鋭は竹迫が「体が分厚い」と警戒していたフィジカルを生かして序盤からガンガン前にきた。竹迫はインサイドからのアッパーやボディショットを食らい、ワンツーで対抗。激しい打撃戦の様相となった。竹迫は徹底して左ジャブを打った。
「相手は低く構えて、ジャブをおでこで受けてきた。ダメージを与えるのは難しいと思ったので、前重心で、痛さを感じさせてやろうと、相手の顔の、鼻や、頬や、顎と、いろんな場所に打ち分けた」
2ラウンドには、竹迫の右でディキンソンが下がり、3ラウンドには左のボディショットがめりこんだ。パンチ力に頼り、大振りになる傾向のあった竹迫は、この日は、小さいパンチをコツコツと執拗に打ち続けた。だが、6ラウンドには左フックを浴びてバランスを崩す。パワーはディキンソンが上だったが「パンチはなかった」という。
竹迫の序盤のボディ攻撃が布石となり、消耗戦となった7ラウンドからディキンソンは、根負けしたかのようにステップワークを使い、アウトボクシングに切り替え始めた。
竹迫は「事前に映像で確認していて、あのスタイルで来るのもわかっていた。しかも下がりながらはボクシングができない」と、ここからは、竹迫が完全にペースを奪いポイントを重ねた。
「勝てたので次がある。ただ倒せたのにそこが悔しい」
ただ1大会で10万ドル(約1580万円)を山分けするKO賞はゲットできなかった。
5月11日に韓国でテイジ・プラタップ・シン(豪州)に1-2判定で敗れ王座から陥落した。専門家を交えてミーティングを開き、トレーニング、食事、生活面などのすべてを見直した。その一つが、SNSで有名人となっている妻のススメで、オリックスなどでも採用されているスリープトレーナーの協力を得て取り入れた睡眠の改善だ。睡眠時に腕時計型の特別な検査機を巻いて時間と質をチェック。体に取り入れた栄養素が外に逃げないことに留意し、疲労の回復にベストな睡眠を、時には、仮眠などを入れながらキープし、「朝起きた時のけだるさがまったくなくなった。今日もそうでした」との効果を得た。