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ミドル級トーナメントで1回戦を勝ち抜いた4人。左から国本、竹迫、コンウェイ、マッケンナ
ミドル級トーナメントで1回戦を勝ち抜いた4人。左から国本、竹迫、コンウェイ、マッケンナ

日本初上陸のマッチルーム賞金総額2億円ミドル級トーナメントで勝利した日本人ボクサーが2人で合わせて破格の約5300万円をゲット!

 竹迫が韓国で判定負けした前戦をプロモートした元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪氏も観戦に訪れ「微妙な判定だと思ったが竹迫のボディと手数を評価したのでしょう。途中、相手が竹迫のプレッシャーに耐えきれずに足を使って逃げた部分もジャッジにマイナスに映ったのかもしれません。前戦で負けた原因だった近い距離ではヒッティングポイントでパンチを当てられないという課題を克服していた。年齢なのか、試合間隔が狭いダメージの影響なのか、パワー不足が少し気になったが、素晴らしいファイトだった」と称えた。
 その竹迫の判定勝利を目の当たりにして心に火をつけたのがメインのリングに上がった国本だった。
「竹迫さんが勝ったのを見て、もう一回“よっしゃー”とスイッチが入った」
 3年前にプロ5戦目で竹迫の持つ日本王座に挑戦したが、1ラウンドにKO負けしている。可兒に勝てば、準決勝という最高の舞台でリベンジのリングに立てるのだから、気合が入ったのも無理はない。
「ウシ!ウシ!」と奇声を発しながら、3月に6回TKO勝利している可兒に1ラウンドからパンチを打ち込んでいく。可兒はガードを固めた亀状態で防戦一方。なんとかカウンターで反撃を試みるが、国本の迫力が圧倒した。4ラウンドに「なにげなく出した適当な右のアッパー」で、ぐらつかせてラッシュをかけた。仕留めきれなかったが、5ラウンドに再び猛攻。ロープを背負わせ「狙っていた」という右のショートパンチが的中したところでレフェリーがストップを宣告した。
 2人の勝者はファイトマネーの15万ドル(約2370万円)を手に入れ、さらにTKO勝利した国本には、KO賞として約525万円がプラスされた。約2895万円である。これは、軽量級での世界戦で世界王者が手にする金額に相当するもの。超破格だ。
 楽天チケットが投入した資金で実現したものだが、国本は「兄弟が多く片親。妹が大学に進学するのでその学費の足しにしたい」と語っていたが、枝川孝会長も、「チームのジャージを新調したい」と満面の笑顔だった。
 また竹迫も「強くなるにはお金がかかる。世界王者になるための自分への先行投資に賞金は使いたい」という話をしていた。
 そして準決勝のファイトマネーはさらにアップする。勝者が25万ドル(約3950万円)で、敗者が12万5000ドル(約1975万円)だ。
 10月に幕張メッセで予定されているその準決勝は、国本と竹迫の3年越しの再戦となった。国本が「一度負けているので、なんとしてもリベンジしたい」と言えば、竹迫も「過去は過去、次は次。前を向いて最高のパフォーマンスで次こそ倒す」と返した。
「国本選手は(僕に負けてから)負けていない。それは凄いこと。彼の体を見てもちゃんと努力しているのが伝わってきた」
 その言葉通り、竹迫に負けてから8連勝中の国本の成長度がカギを握ることになるだろう。
 そして勝者は、来年2月に予定されている決勝で、この日共にTKOで勝ち上がったコンウェイとマッケンナの勝者と優勝を争うことになる。世界ランカーのコンウェイが頭ひとつ抜けているように見えた。

 

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