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大谷が4度目の米球宴出場で初の本塁打を放つ(写真・AP/アフロ)
大谷が4度目の米球宴出場で初の本塁打を放つ(写真・AP/アフロ)

「大谷翔平の本塁打を見て全米の子供達が外に出てバットを振っているだろう」米球宴で被弾したレッドソックス右腕が“粋な表現”で大谷の凄さと影響力を語る

 メジャーのオールスターゲームが16日(日本時間17日)、米テキサス州アーリントンで行われ、ドジャースの大谷翔平(30)は、ナ・リーグの「2番・DH」で先発出場し、3回に4度目の球宴出場で初となる先制の3ランを放った。米球宴史上初となる勝利投手と本塁打をマークした。MVPの有力候補だったが、ナ・リーグが3-5で逆転負けしたため、勝ち越し2ランを放ったレッドソックスのジャレン・デュラン(27)に賞をもっていかれた。大谷は3打席立ち、四球、3ラン、空振りの三振だった。

 2007年のイチローのランニング本塁打以来

 

 全米のスーパースターが集まる球宴の場でも大谷が主役だった。
 3回無死一、二塁で巡ってきた第二打席。マウンドにはア・リーグ3番手のレッドソックスの右腕のタナー・ホーク。警戒したボールの変化球が2つ続いた後の3球目だった。抜けたようにインサイドに入ってきた88.7マイル(約142.8キロ)のスプリットを見逃さない。スイング一閃。ややバットの先だったようにも見えたが、打球はライトスタンドの中段付近まで飛んでいった。ライトのヤンキースのファン・ソトは一歩も動けない。大谷は確信歩き。
 地上波で中継したNHKのインタビューでは「いい角度で上がったので入ると思いました」と語った。
 打球速度は103.7マイル(約166.9キロ)、飛距離は400フィート(約122メートル)。満面の笑みでダイヤモンドを回った大谷は、ドジャースのセレブレーションポーズを作った。
 ベンチは、もうお祭り騒ぎ。
 ロサンゼルスタイムズ紙は「大谷は球場にいるすべての人々と同じく、すぐにその打球に見惚れた。バットを放ってベースを回る前にバッターボックスの中で反り返りながら打球の行方を追った。ダグアウトでは、ドジャースのチームメートのフレディー・フリーマンが祝福で腕を動かし、タイラー・グラスノーの口はぽかんと開いていた」と表現した。
 前出のNHKのインタビューで大谷は「オールスターはなかなか打てていなかった。一本いいのが打ててよかったです。(球宴では)普段話せない選手と話せます。違うリーグで、違う選手たちと良い時間を過ごせています」と続けた。
 日本人の球宴アーチは2007年のイチローのランニング本塁打以来2人目。ドジャースでは1996年のマイク・ピアザ以来、28年ぶりの快挙。
 打たれたホークは、メジャー契約となって4年目のレッドソックスの先発右腕で、球宴は初出場。
「ブーメラン」と呼ばれるスライダーが武器で、昨季までシーズン6勝が、最高だったが、今季は19試合で、8勝6敗、防御率2.54とブレイクして初の夢舞台に選出されていた。
 MLB公式サイトや、ロサンゼルスタイムズ紙によると、ホークは、もっと低目を狙うはずのスプリットのコントロールミスを悔やんだ。
「優れた打者が、素晴らしいシーズンを送っている。あのスイングに穴は多くない。私の出来ることは投球をできるだけしっかりと決めることだけだった」
 そしてホークは敬意をこめて粋なコメントを残した。
「ただいいスイングだった。今日(米国中の)子供たちは(大谷の本塁打を見て)外に出てバットを振っているだろうね」
 それが大谷の影響力だろう。
 今季29本塁打でナ・リーグの本塁打争いを独走している大谷の一発はは、まさに全米を震撼させた。

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