女性への不同意性交容疑で逮捕された日本代表のMF佐野海舟容疑者。移籍が発表されていたマインツとの契約はどうなる?(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
女性への不同意性交容疑で逮捕された日本代表のMF佐野海舟容疑者。移籍が発表されていたマインツとの契約はどうなる?(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

サッカー界に衝撃!逮捕された佐野海舟のマインツとの契約はどうなる?

 そのアジアカップに招集され、グループステージの2試合でピッチに立っている佐野容疑者の今後は、どうなるのか。実はマインツの公式声明が綴られたXへ寄せられた数多くの返信のなかに、次のような投稿があった。
「マインツの公式声明は決定的なものではなく、クラブがまだこの件を調査中であると示している。ただ、彼らはパレスチナについて語ったガジを即座に退けている。レイプが彼らにとって同じくらい気になるかどうかを見てみよう」
 このなかで言及された「ガジ」とは、昨年11月にマインツとの契約を解除された、元オランダ代表のFWアンワル・エル・ガジ(29)を指している。
 ガジは同年10月に自身のインスタグラムへ、イスラエルによるガザ地区侵攻に対してパレスチナ寄りの意見を投稿した。ユダヤ人によって創設された歴史をもつマインツは、投稿の内容が「クラブの価値観と一致しない」と判断。ガジをトレーニングや公式戦から除外し、最終的には契約解除にいたっている。
 伊東と異なり、佐野容疑者の場合は逮捕された案件であり、前述したように逮捕容疑を認めていると一部メディアで報じられた。不同意性交罪の場合、書類送検後に検察によって起訴されて有罪となれば、被害者女性との示談成立などといった特別な事情がない限りは、初犯でも実刑判決が下る可能性もあるという。その場合はマインツと結んでいる4年契約も白紙にならざるをえない状況となる。
 佐野容疑者は中学卒業後に進学した鳥取県の強豪、米子北高で1年生からレギュラーを獲得。卒業後には当時J2を戦っていたFC町田ゼルビアへ加入し、ボール奪取能力に長けたボランチとして台頭。昨シーズンには鹿島へ移籍した。
 J1を代表する名門でもダブルボランチの一角を射止め、昨年11月には負傷で辞退したMF伊藤敦樹(25、浦和レッズ)に代わって森保ジャパンへ追加招集。ミャンマー代表との北中米W杯アジア2次予選で代表デビューも果たした。
 今シーズンも引き続き鹿島のボランチを務めていた佐野容疑者のもとへ、主軸を担っていたボランチが移籍し、その後任を求めていたマインツからオファーが届いた。海外移籍へ向けた手続きのため、鹿島を離脱すると発表されたのが今月1日。ドイツへ渡った佐野容疑者が契約書にサインする写真とともに、3日にマインツ側から、翌4日には鹿島からブンデスリーガ1部への挑戦が正式発表されていた。
 その後、マインツ合流へ向けた準備のために一時帰国し、出発する直前に逮捕にいたる事件を起こした。くしくも17日には、マインツ移籍に関するオンライン会見が予定されていた。しかし、前日16日夕方になって、所属するマネジメント会社から「諸般の事情により、延期させていただくこととなりました」と連絡が入った。
 マインツは佐野との契約をどう扱うのか。今後の動向に注目が集まる。

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