あの“レジェンドストライカー”アンリ監督が「日本は非常にいいチーム」と評価…パリ五輪前哨戦で日本が開催国フランスと1-1引き分け
しかし、その後も猛攻を仕掛けながら、日本の選手たちの体を張った、必死の守りの前に追加点を奪えない。後半37分には途中出場のMFデジレ・ドゥエ(19、レンヌ)が日本のゴール前に抜け出したが、シュートは守護神・小久保玲央ブライアン(23、シントトロイデン)のファインセーブの前に阻止された。
直近の国際親善試合で、日本が初戦で対戦するパラグアイを4-1で、ドミニカ共和国を7-0のスコアで連勝しながら、総仕上げとなる日本戦を1-1で引き分けたフランスのアンリ監督のコメントを、前出の『L’EQUIPE』が伝えている。
「前半のボールロストから喫した失点を除けば、内容はよかった。日本は非常にいいチームだった。なので、引き分けはまったくかまわない。ただ、試合に勝つためには、ボールをゴールに入れなければならない、ということがわかった試合だった」
別のフランスメディア『ouest france』は「パリオリンピックへ向けた、完璧な準備とはならなかった」と厳しい論調で引き分けを報じている。
「失点はレステスからコネへの、プレゼントのようなパスミスから始まった。アンリ監督は『個人的なミスは常に起こりうる』とレステスやコネをかばったが、非常にフラストレーションがたまる試合だった。なかなかゴールを奪えなかったフランスは、最後はオリーズの個人的なひらめきに頼らざるをえなかった」
日本は最大3人まで招集できるオーバーエイジを、2008年の北京五輪以来、4大会ぶりに招集しない陣容でパリ五輪に臨んでいる。特にセンターバック陣の脆さが危惧されてきたなかで、フランス戦で先発フル出場した高井幸大(19、川崎フロンターレ)、前半プレーした木村誠二(22、サガン鳥栖)、後半に木村に代わって入った西尾隆矢(23、セレッソ大阪)を中心に、フランスメディアをいらつかせる粘りを見せた。
「簡単に(ラインの)間につけられてしまうシーンや、簡単に(最終ラインの)裏に出されてしまうシーンというのがかなり多かったので、そのあたりはもっと自分が中心になって試合中に話しながら、修正していければいいかなと思う」
藤田が修正点をあげながら五輪本番を見すえれば、大岩監督はさらに声をからしながら「今日は試合内容に関しては二の次でした」とこう続けた。
「選手全員がこちらに着いたのが昨日だったので、コンディションを整えるのが第一の目的でした。そのうえでフランスの地でこういう激しいゲームができたし、ピッチ状態や環境にも慣れることができた。われわれがこの大会でやるべきプレーをもう一度明確にして、相手をしっかり分析して初戦を迎えたいと思います」
やるべきプレーの最上位にすえられるのが、先制点に結びついた前線からの連動したプレスとなる。五輪前の実戦をすべて終えた大岩ジャパンは、15日から事前キャンプを行っているフランス南部マルセイユで19日まで調整を続け、同日午後にパラグアイとの初戦が行われるボルドーへ移動。悲願のメダル獲りへ向けて総仕上げに入る。