佐野海舟の逮捕余波？！パリ五輪のバックアップメンバーに選ばれていた実弟の航大が辞退…規約が改正され実質“戦力”だったが…

　日本サッカー協会（JFA）は18日、パリ五輪に臨むU-23日本代表のバックアップメンバー4人のうちMF佐野航大（20、NECナイメヘン）の招集を見送り、新たにMF植中朝日（22、横浜F・マリノス）を招集したと発表した。酷暑対策に大会規定が変更され、実質4人のバックアップメンバーも戦力として五輪に帯同できることになった。その人選はより重要になったわけだが、JFAが佐野の所属先のNECと再協議した結果、招集が見送られることになった。佐野は女性への不同意性交容疑で逮捕された佐野海舟容疑者（23、マインツ）の実弟。サッカー界を揺るがす事件の余波が懸念される。

　酷暑対策の規約改正で4人のバックアップメンバーは実質の戦力

　唐突さを感じずにはいられないメンバー変更だった。
　JFAは18日夜、計4人を選出していたパリ五輪に臨むU-23代表のバックアップメンバーのうち、オランダ・エールディヴィジのNECでプレーする佐野の招集を見送り、代わりにマリノス所属の植中を追加招集すると発表した。
　パリ五輪の男子サッカー代表は各国とも、大会登録メンバー18人とバックアップメンバー4人の計22人で構成される。バックアップメンバーに関しては、当初は怪我や病気などの医学的な理由があった場合にのみ、各国初戦がキックオフされる24時間前まで入れ替えが可能とされていた。
　こうした事情もあって、JFAはフランスには帯同しない前提のもとでバックアップメンバーを選出していた。17日（日本時間18日）に同国南東部のトゥーロンで行われた開催国で金メダル候補のU-23フランス代表と1－1で引き分けた国際親善試合でも、当然ながらバックアップメンバー4人はベンチ入りもしていなかった。
　しかし、国際サッカー連盟（FIFA）は酷暑が予想されるフランスで、準決勝までの5試合をすべて中2日で戦う過密日程が選手の心身を過度に疲弊させると懸念。大会規定の変更を求めて、国際オリンピック委員会（IOC）と協議を重ねてきた。
　この結果、ベンチ入りできる選手の数は18人で変わらないものの、大会登録メンバー18人とバックアップメンバー4人は、各試合のキックオフ6時間前まで入れ替えが可能となった。実質的に22人体制でパリ五輪へ臨める状況を受けて、JFAはバックアップメンバーも急きょフランスへ帯同させる方針を決めた。
　バックアップメンバーには当初、航大に加えてGK佐々木雅士（22、柏レイソル）、DF鈴木海音（21、ジュビロ磐田）、MF山田楓喜（23、東京ヴェルディ）が名を連ねていた。このうち佐々木と鈴木は今週末のJ1リーグ戦を終えた後の21日に、山田はリーグ戦前の19日にそれぞれチームに合流するスケジュールが決まった。
　しかし、航大に関してはNEC側との再交渉が難航した。JFAはリリースのなかで「佐野航大選手については、所属クラブとの協議の結果、招集を見送ることになりました」と発表し、代わりに植中の追加招集を決めた。植中も今週末のリーグ戦を終えた後の21日に佐々木、鈴木とともにチームに合流する。