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那須川天心が世界ランカーとの勝負に挑む。計量クリア後にアニメ「呪術廻戦」のポーズを決める(写真・山口裕朗)
那須川天心が世界ランカーとの勝負に挑む。計量クリア後にアニメ「呪術廻戦」のポーズを決める(写真・山口裕朗)

今日ゴング!那須川天心が世界4位とのファイトで見せたい宇宙人ボクシングってなんだ?…結果次第では計画前倒しで来年後半に世界挑戦の可能性も浮上

 

「ボクシングって、こういうものだねと思っている概念がある。そうじゃない動きをされたら、なんだ?こいつ?と異物みたいになる。そういうイメージ。オレにしかできないものをしっかりと見せる」
 トリッキーな動きを交えた型破りな究極のスピードボクシングなのか。
 実は、世界的プロモーターであり、数多くの世界王者を育ててきた帝拳グループの“総帥”本田明彦会長も「天心は今までのボクシングとはまったく違うボクシングをする」という話をしていた。
「天心はスパーを見ていても面白い。今までのボクシングでは考えられないタイミングで打つし、考えられないタイミングでパンチを避ける」
 ただその域のボクシングに到達するまでに紆余曲折があったという。試合間隔が6か月あったため、短距離、中距離、長距離、インファイト、アウトボクシング…と、あらゆるスタイルのボクシングを詰め込みすぎて、天心が迷路に迷い込んだ。
「あいつも悩んだし、こっちも悩んだ。こっちは、キックボクサーがどういうものかを知らなかったからね。ようやく壁を突き破ったのは、ほんの2週間前だよ」
 本田会長の発言を受けて天心も言う。
「噛み合わないところがあった。どの距離がいいのか、色々やって迷うこともあった。考えていることをなんできないのかな?って。でもやっているうちに研ぎ澄まされて最終的にはまった。それを試合に出せるところまでもっていけた」
 そのスランプの時間を天心は人生に例えた。
「生きていて壁にぶつかることは絶対にある。そこで逃げるのか、追い詰めて自分で超えていくのか。そこに人としての厚みが出る。自分で打ち勝った自負はある。有意義な時間だった」
 天心の特徴とセンスを生かす宇宙人ボクシングの完成が、世界ランカーとの対戦に間に合ったのである。
「完成と言えば成長が止まる。完成しつつある、オレにしかできないものをしっかりと見せる。すべてを自分の場にして、やってきたことの証明を試合で見せたい」
 対戦相手のロドリゲスは20戦17勝(7KO)2敗1分の好戦的なファイターだ。特に右フックに破壊力ががあり、昨年11月にはWBA世界スーパーフライ級王座を5度防衛したカリド・ヤファイ(英国)とWBAバンタム級インターコンチネンタル王座決定戦で対戦して右のフックで1回にKO勝利した。世界的評価がアップし、前戦では、現在WBA世界同級1位にランクされているアントニオ・バルガス(米国)に7回TKO負け(インターバルで棄権)となったが、また右のフックで1回にダウンを奪うなど見せ場を作った。
 会見では「右フックのことばかり質問されるが、オレはオールラウンドファイターだ。どんなパンチだって打てる。何が当たるかその時にならないとわからないが、やるべきことをやればパンチは当たる。勝つと思っているからこそ今ここにいるんだ」と、天心の野望を打ち砕くことを宣言していた。

 

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