“あの”発言が海外で大反響を呼ぶ…井上尚弥vs中谷潤人の夢対決は実現するのか…元世界王者は「中谷がバンタム級最強」と断言
プロボクシングのWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26、M.T)が同級1位のビンセント・アストロラビオ(27、フィリピン)を秒殺KOした後のリング上で、スーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(31、大橋)との対戦希望を口にしたことが、海外でも大きな反響を呼んでいる。井上がスーパーバンタム級に留まるのは2025年末まで。果たして世界が注目しているドリームマッチは本当に実現するのか。
「バンタム級を統一してもっと大きい試合をしたい」
衝撃の秒殺KOだった。中谷は20日に両国で指名挑戦者のアストロラビオを1ラウンド2分37秒に左のボディストレート一発で悶絶KOしたのだ。リング誌が定めているパウンド・フォー・パウンド(体重関係なしの最強ランキング)で10位に入っている評価が本物であることを証明した。そして、その歓喜のリング上で世界的な反響を呼ぶことになる重大発言を行った。
「このバンタム級で統一して(階級を)上げるか、もっと大きい試合をしていきたい」
堂々とそう宣言したのである。
試合前から「ファンにビッグファイトを期待してもらえるような試合を見せたい」と語り、WBA世界バンタム級王者、井上拓真(28、大橋)の名前を出して統一戦への思いをぶちあげていた。だが、この日は、日本人が4つのベルトを独占しているバンタム級を統一した先にもうひとつ大きな目標があることを「もっと大きい試合」という表現で明かしたのだ。
司会者からモンスターとの対戦について聞かれ「まだまだですけど、ひとつずつ、しっかり勝っていって、皆さん(の期待)が大きいものになっていけば、おのずと実現すると思うので、皆さん、応援お願いします」との本音を吐露した。
この発言は、国内外のボクシングファンの間で大反響を呼び、海外メディアが食いついた。米専門サイト「ボクシングシーン」は「バンタム級の統一を狙う中谷が井上尚弥に呼びかける」との見出しを取り、アストロラビオ戦の内容や、ここまでの中谷の軌跡、バンタム級世界王者の現状を紹介。「中谷がバンタム級のタイトルをすべて制覇し、誰もが認めるチャンピオンになれば、ス―バーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥と対戦する絶好のチャンスがあるかもしれない」と報じた。同メディアは、中谷のコメントとして「タイトルを統一するか、(スーパーバンタム級まで)上げて優勝したい。井上(尚弥)との戦いは、僕が本当にやりたい試合だ。多くの人がこの戦いを期待している。これからも強くなり、その戦いに備えるつもりだ」という部分を紹介している。
米専門サイト「ボクシングニュース24/7」も「井上尚弥vs中谷潤人…現実的な絶対モンスターを決めるドリームマッチ」との見出しを取り、「無敗のパウンド・フォー・パウンドスター(井上)とWBC世界スーパーフライ級王者のジェシー“バム”ロドリゲスとの対決はウエイトの問題で非現実的だが、井上対中谷は現実的だ」と報じた。
同サイトも中谷のコメントを紹介した上で、「中谷は、多くの人が彼とスーパースターである同胞との戦いを望み、期待していると語った。その考えは100%正しい」と夢対決の実現を支持した。