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OPBF東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太は2-1判定勝利にも「僕が負けました」と号泣(写真・山口裕朗)
OPBF東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太は2-1判定勝利にも「僕が負けました」と号泣(写真・山口裕朗)

「今天心と戦ったら負ける」…那須川天心が標的にする東洋王者の栗原慶太が判定勝利も想定外の苦戦に“号泣”引退示唆…陣営も弱気発言

 

 7月20日に両国で行われたボクシング転向4戦目で那須川天心は、世界4位のジョナサン・ロドリゲス(米国)に3回TKO勝利し、試合後、次戦で地域タイトルへ挑戦したいとの意向を明かした。
 バンタム級の地域タイトルは、日本王者が18日に新王者となった帝拳ジムの同門の増田陸で、天心が狙うのは、空位のWBOアジアパシフィック同級王座か、栗原の持つOPBF東洋太平洋王座の2つしかない。栗原も、その立場にいることを意識してリングに上がった。
「今月は堤(聖也)さんも、増田さんも、那須川選手も、中谷(潤人)選手もみんないい勝ち方をした。毎日全力で準備して、この試合に勝って、なんとか差を埋めたいという熱い気持ちにさせてもらった。まずは目の前の試合を処理して前へ進みたかった。でもこういう結果になってしまった。僕としてはこれまでかなと思う」
 実は、7月20日の天心の対戦相手として、一度は栗原が候補にあがっていた。小林会長も天心の挑戦を受ける考えでいたが、立ち消えになったという。
「(共同プロモーターの)トップランクの方からまだ早いとストップがかかったと聞いている」
 小林会長が消えた天心戦の舞台裏を明かした。
 また5月6日の東京ドーム決戦でも、当初は武居由樹(大橋)の世界挑戦の話が難航していて栗原との対戦が内定していた。「1%の可能性だった」(小林会長)という武居のWBO世界バンタム級王者、ジェイソン・モロニー(豪州)への挑戦が急転直下決まり、武居―栗原戦が流れ、武居が世界王者となった。日本人王者が4つの世界のベルトを独占して、大活況のバンタム級において、東洋のベルトを持つ栗原が世界を狙う最前線にいることに疑いはない。
 栗原が引退を示唆したことを伝えると小林会長は、こう突き放した。
「私からは説得はしない。頭の中身を変えなくちゃいけない。練習でも受ける練習ばかりをやっているから、ああいうことになる。今日の相手は倒せますよ。当初はOPBFの防衛戦をやるつもりだったが、話がうまくまとまらず、この相手になったが、次に勢いをつける試合にするつもりだった。自分で世界タイトルを取るつもりのない奴にこっちが『やれ、やれ』と言っても無理です」
 だが、これは小林会長独特の愛情表現。一度は失ったOPBFのベルトを苦労して取り返した栗原をこのまま引退させるようなことはないだろう。
 小林会長は「もし(帝拳から天心戦の)打診があれば受けるつもり。今日の試合を見たら、あっちもやりたくなるんじゃないですか」と言う。
 ただ、こう続けた。
「こんなボクシングをしていたら天心に負けますよ。とてもじゃないが天心のスピードとボクシングについていけない」

 

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