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J1の首位を快走するFC町田ゼルビアが名古屋グランパスから日本代表MF相馬勇紀を獲得した(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
J1の首位を快走するFC町田ゼルビアが名古屋グランパスから日本代表MF相馬勇紀を獲得した(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

なぜ?日本代表MF相馬勇紀が名古屋復帰たった1試合で町田へ…異例の大型移籍が実現した理由とは?

 J1の首位を快走するFC町田ゼルビアは23日、名古屋グランパスから日本代表MF相馬勇紀(27)を完全移籍で獲得したと発表した。期限付き移籍していたポルトガル1部リーグのカーザ・ピアを、契約満了に伴って6月末で退団した相馬は、今月11日に古巣の名古屋へ復帰。同14日の柏レイソル戦で先発し、J1リーグでは617日ぶりとなるゴールも決めていたが、出場わずか1試合、在籍10日あまりで町田へ移籍することになった。異例の大型移籍はなぜ実現したのか。

 ポルトガルから古巣名古屋経由で町田へ

 中断期間に入ったJ1で、大型移籍が異例の形で実現した。
 首位に立つ町田は23日、カタールW杯代表で、ミャンマー、シリア両代表と北中米W杯アジア2次予選を戦った森保ジャパンの6月シリーズでもピッチに立っているMF相馬を、名古屋から完全移籍で獲得したと発表した。
 日本代表選手の移籍は、決して珍しくはない。しかし、相馬は6月末に期限付き移籍していたポルトガル1部リーグのカーザ・ピアを契約満了で退団。今月11日に古巣の名古屋へ復帰し、同14日の柏戦で先発出場していた点で異例となる。名古屋での出場がわずか1試合、在籍10日あまりでなぜ町田へ移籍したのか。
 三菱養和SCユースから早稲田大をへて、2019シーズンに名古屋へ加入した相馬は、カタールW杯後の昨年1月にカーザ・ピアへ期限付き移籍。2022-23シーズンの公式戦で19試合に出場して2ゴールをマークすると、期限付き移籍期間を1年間延長した昨シーズンには同37試合出場で5ゴール3アシストの成績を残した。
 しかし、カーザ・ピアは相馬の買い取りオプションを行使しなかった。左右の両サイドでプレーできるアタッカーとして、カーザ・ピアの1部残留に貢献した相馬が退団にいたった理由を、ポルトガルメディアの『Record』はこう伝えていた。
「名古屋グランパスから提示された高すぎる金額が、買い取りを断念させた」
 名古屋と来年1月末まで契約を結ぶ相馬には、日本円で3億5000万円(推定)の違約金が設定されているという。初の海外挑戦を志半ばで終えた相馬は、元日本代表DFの内田篤人氏(36)が司会を務める「DAZN」の『Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME』に出演した今月上旬にこう語っている。
「(引き続き)海外でやりたいです。ブンデス(リーガ)に行きたいですね」
 しかし、前述した高額の違約金がネックになったからか。海外クラブとの交渉がなかなか進まない状況で、今月8日にJリーグの第2登録期間が開き、同11日には保有権をもつ名古屋への復帰が発表されていた。
 名古屋の公式戦に出場できるようになった相馬は、同14日の柏戦でさっそく先発。後半9分には1-1の同点に追いつく、J1で617日ぶりとなるゴールを決めると、勢いを取り戻した名古屋は直後に逆転に成功。泥沼の連敗を4で止める、実に8試合ぶりとなる白星をホームの豊田スタジアムであげていた。
 名古屋の救世主になった相馬は、試合後にこんな言葉を残していた。
「(ポルトガルで)進化したと自分でも思っているので、それを還元できてよかった」
 一方でタイミングをほぼ同じくして、満額の違約金を提示するオファーとともに、名古屋に対して相馬の獲得を申し出たのが町田だった。

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