パリ五輪開会式に華を添えたレディー・ガガ、アヤ・ナカムラ、セリーヌ・ディオンらの出演料は「ゼロ」?!一部では1曲3億円の報道も…
歌手やアーティストがノーギャラでも得ることのできる利益とは何なのか。実は、スポーツイベントでパフォーマンスをする歌手やアーティストに「特別な」報酬が支払われないのは五輪だけではない。
米国で最も大きなスポーツイベントであるNFLの覇者を決めるスーパーボウルでは超大物アーティストによるハーフタイムショーが毎年注目の的になるが、ここでも「特別なギャラ」は支払われていない。NFL側は、アーティストの宿泊・移動コストを含むショーに必要なすべての経費を負担するが、出演者全員に対してパフォーマーの組合が規定している報酬を支払うだけだとしている。組合の規定料金は、1日に1000ドル強(約15万3800円)とみられている。
なぜ世界的なアーティストが、それでもスーパーボウルに出演するのかというと、スーパーボウルを視聴する人数が他のイベントと比べるとはるかに多いからだ。2023年のスーパーボウルには、シンガーソングライターのリアーナが出演し、1億2370万人がこれを視聴した。美容業界の分析によると彼女自身が手掛けるメイク商品にも注目が集まり、その日だけで、560万ドル(約8億6000万円)相当の広告効果があったという。レデー・ガガが2017年のスーパーボウルに出演した直後にはデジタルアルバムの売り上げが前日と比べて1000%増加した。
五輪の開会式は世界各国で放送され、スーパーボウルの視聴者数をはるかに上回る。ノーギャラでも、ここに選ばれるだけで、その波及効果ははかりしれない。
セリーヌ・ディオンは、1996年のアトランタ五輪の閉会式にも出演しているが、コスモポリタン電子版は、「1996年の五輪でセリーヌ・ディオンが歌ったThe Power of the Dreamは、世界中で35億人が視聴した。一方、2024年のスーパーボウルの視聴者数は1億2370万人だった」とし「彼らはまわり道をしてお金を稼ぐのだ」と結論づけた。
歌手やアーティストが、多様性社会と平和の象徴のイベントでもある五輪参加に熱意と意義を感じていることは間違いない。それと同時に35億人の目に触れる効果も期待できる。彼女らがノーギャラでも出演したい価値が五輪にはある。