「まるでファッションショー」「過去最高の聖火台点火」「綱渡り的なアイデアを成功」海外メディアはパリ五輪の開会式を絶賛
パリ五輪の開会式が26日、夏季五輪では史上初めてスタジアム外で行われ、セーヌ川を使った船上パレードや、気球型の聖火台などのサプライズ演出が世界の注目を集めた。米英メディアの評価も「魂を高揚させる壮観な開会式」「綱渡り的なアイデアを成功させた」「まるでパリのファッションショー」と絶賛の嵐だった。
アニメの「ミニオン」も登場
パリ五輪の開会式はフランスサッカー界の“レジェンド”ジネディーヌ・ジダンの登場から始まった。
VTR演出でまずフランスの人気コメディアン、ジャメル・ドゥブーズが聖火を手にスタッド・ド・フランスに入場したが、そこは無人。戸惑っていると、ジダンが現れて聖火を受け取り、地下鉄などを通って子供達にリレーし、セーヌ川での入場行進に続くという凝った演出。
オーステルリッツ橋からトロカデロ広場まで約6.4キロの入場行進という船旅を94隻の観光船に分かれた各国の選手団が楽しんだ。
途中、レディー・ガガや、アヤ・ナカムラらの歌、パリコレをオマージュしたパフォーマンスがあり、フランスが生んだアニメの「ミニオンズ」のキャラクター、ミニオンも登場し、ルーブル美術館から、超有名絵画「モナリザの微笑み」を盗みだすなどの演出もあった。
エッフェル塔の照明を使った光のショーも見事だった。聖火ランナーは、再び登場したジダンから、テニスのラファエル・ナダル(スペイン)へつながれ、船上では、陸上のカール・ルイス(米国)、体操のナディア・コマネチ(ルーマニア)、テニスのセレーナ・ウィリアムズ(米国)という五輪史に残る金メダリストが揃い、競泳のロール・マナドゥ、NBA殿堂入りのトニー・パーカーら24人のフランスのオリンピアンがリレーして、最終ランナーは、柔道の100キロ級代表のテディ・リネールと、陸上女子のタン中距離で金メダル3個のマリージョゼ・ペレクが、気球型の聖火台に点火。気球の聖火は、パリの上空へ舞い上がり、闘病から復帰した人気歌手のセリーヌ・ディオンが「愛の賛歌」を熱唱した。降り続いた雨でポンチョ姿の選手がびしょ濡れになり健康管理上の問題はあったが、海外メディアは絶賛の評価を与えた。
米スポーツ専局のESPNは、「革命の発祥地としての名声を記念し、雨でずぶ濡れとなったセーヌ川の脇に、スターやファンタジーを散りばめた先例を破る開会式とともに、パリがこの1世紀で初となる夏季大会を開幕させた。高速鉄道ネットワークをターゲットにした妨害と疑わしき行為に警察当局が対処する中で、街の復活の力を示すような開会式を披露し、船に乗った選手の中には傘をさす者もいたが、断続的に降った雨は彼らの熱狂を妨げているようには見えなかった」と伝えた。
同メディアは、「世界中の視聴者がテレビで見る中、パリは文字通り魂を高揚させる壮観な開会式でいい印象を残した」と評価。
「喜びに満ちたフランスの踊り、サッカーの象徴、ジダンのユーモアのある映像、そしてレディー・ガガがフランス語で歌い、3時間以上となるショーに期待のエンターテイントが加えられた」などと紹介した。
英ガーディアン紙は、パリ五輪の開会式を「雨が肌に染み込む一方でセーヌ川の6キロをボートに乗った何千人ものアスリートやその道中で声援を送った33万人の観客のスピリットを鈍らせるようなことは全くなかった。何時間も世界で最も素晴らしいパーティーにいるかのように、彼らが歌い、踊り、そして笑ったからだった」と伝えた。