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準々決勝で「待て」の後に絞め続けられ1本負けにされた永山が審判に抗議(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
準々決勝で「待て」の後に絞め続けられ1本負けにされた永山が審判に抗議(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「なぜ握手をしなかった?意識を失えば1本負けだ」パリ五輪柔道60Kg銅メダル永山竜樹の不可解“誤審問題”にガリゴス陣営が大反論…スペイン紙に批判問題を語る

 パリ五輪の柔道男子60キロ級で初出場の永山竜樹(28、SBC湘南美容クリニック)が銅メダルを獲得したが、準々決勝で2023年の世界王者のフランシスコ・ガリゴス(29、スペイン)に不可解な一本負けを喫した問題が波紋を広げている。「待て」が掛かった後にも締め続けられ「落ちた」と判断されたものだが、日本サイドが猛抗議、永山も畳の上に5分間、居座って誤審をアピールしたが覆らなかった。SNSでは審判の判断と「待て」後も絞め続けたガリゴスへの批判が殺到。その中でガリゴスと担当コーチがスペイン紙の取材を受けて反論の声をあげた。

 審判の「待て」の後も絞め続けられて「落ちた」

 不可解な誤審問題が起きた。
 永山が2023年の世界選手権で優勝しているガリゴスと対峙した準々決勝。残り1分24秒のところで内またを仕掛けたが、そのまま寝技に持ち込まれ、膠着した状態の中、主審が「待て」を発したが、そのまま絞め続けられ「落ちた」ように見えた。技を解かれると畳の上で大の字になった。「待て」の声を聞いた永山は、当然、それが有効で以降の絞め技は無効と考えていたが、主審は、なんと片手絞めによる1本負けを宣告した。
 納得のいかない永山は両手を広げて抗議の意思を示して、ガリゴスとの握手も拒否。そのまま5分間、畳を降りずに「映像での再確認」を求めた。8000人で埋まった会場には大ブーイングが飛び交い、永山に負けを認めて畳から降りることを催促した。日本は古根川実コーチが抗議したが、判定が覆らず、深く礼をして永山は畳から降りた。
 その後、鈴木桂治監督、金野潤強化委員長が大会本部に抗議したが、やはり判定は覆らなかった。
 この不可解な判定にSNSでは「こんなことあっていいの?」「こんな危険な反則が許されるのか」「完全な誤審だろう」「待てがかかった後も締め続けたガリゴスにスポーツマン精神はないのか」などの批判の声が殺到した。
 東京五輪の60キロ級金メダリストで永山のライバルだった高藤直寿は、自身のXで「大会側は落ちたタイミングがわからないとの事。でも本人は待てって聞こえて体勢を変えようとしたみたい。抗議は通らず。いち早く切り替えて欲しい」と訴えた。明らかに「落ちた」のは「待て」の後。審判の不手際だろう。
 永山は気持ちを切り替え、敗者復活戦から勝ち上がり、3位決定戦では、サリ・イルディス(トルコ)から2つの技ありを奪う文句無しの1本勝ちで銅メダルを獲得したが、笑顔は一切なかった。
「手ぶらで帰るわけにはいかないなと思って銅メダルを獲りに行きました。 目標は金メダルだったので、正直ちょっとキツかったんですけど、両親、妻と息子も来ていたし、たくさんの方々が応援にきてくれていたので、その方々のために必ず銅メダル、最低でも銅メダルを獲ろうと思って気力だけで戦いました」との思いを吐き出した。
 一方のガリゴスは準決勝で金メダルを獲得したエルドス・スメトフ(カザフスタン)に敗れ、3位決定戦でギオルギ・サルダラシビリ(ジョージア)に勝ち、銅メダルを獲得した。

 

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