「銅メダルを返上しろ」「あなたの行為は殺人未遂」パリ五輪柔道で永山竜樹に“疑惑の誤審”1本勝ちのガリゴスのインスタに2700件超えの批判コメの異常事態…米メディアは永山の抗議を非難
パリ五輪の柔道男子60キロ級で銅メダルを獲得した永山竜樹(28、SBC湘南美容クリニック)が準々決勝で同じく銅メダルのフランシスコ・ガリゴス(29、スペイン)に不可解な一本負けを喫した問題の波紋が止まらない。「待て」が掛かった後にも締め続けたガリゴスのインスタには2000件を超える批判のコメントが殺到。一方米メディアの一部が握手を拒否した永山の態度を批判するなど騒動は世界的な広がりを見せている。
これも35億人以上が見る五輪の影響力なのだろう。永山とガリゴスの準々決勝で起きた疑惑の誤審問題がとんでもない波紋を広げた。
主審が「待て」を宣告した後も技を解かずに永山が落ちるまで絞め続けたガリゴスへの批判が殺到。彼のインスタに2700件を超える批判コメントが日本語、英語、スペイン語で集まる異常事態となった。
ガリゴスの投稿写真には、欧州選手権で優勝した際にVサインをしているものと2023年の世界選手権で優勝した際に金メダルをかじっているものなどがあるが、それらを今回パリ五輪で銅メダルを獲得した後の所作と勘違いされたのか。スペイン語で「このメダルをスポンサーに捧げたい!彼は私を励まし、支えてくれた!」と書かれた固定メッセージに対しても次から次へと批判コメントが殺到したのである。
一部を紹介すると、日本語のものが「銅メダルは返上した方がいいですよ」「柔道をやる資格もありません」「神聖なる柔道に対する冒涜」「道着を脱げ。2度と柔道をするな」「反則行為で勝ってそんなに嬉しいか?柔道家として失格だよ」という感情的なものが多く、中には「あなたがやったことは柔道ではなく殺人未遂ですよ」という物騒な内容もあった。また「あなたの様な柔道をみた子供達はどう感じるでしょうか?ルールを破ってでも勝つ意味とは何でしょうか?」と真剣に訴えかける声も見られた。
英語のコメントも「こんな汚いプレーは見たことがない。オリンピックという最も大きな大会でこのようなプレーが行われるとは思ってもみなかった。一人のスポーツファンとしてあなた方とジャッジに失望している」など厳しい意見がほとんど。スペイン語のコメントも「レフェリーのコールが聞こえなかったのは当然だ。でもあなたがやったことは柔道のルールに反している。スポーツマンシップがあれば、こんなことにはならなかったはずだ」と辛辣だった。
スペイン紙「アス」によると、15年間ガリゴスを指導してきたコーチのキノ・ルイス氏が「ガリゴスは不愉快なメッセージを受け取っているが、私には理解できない。私は(批判している)彼らが正しくないと思うし、私は死ぬまでガリゴスを守るつもりだ」と語ったそうだが、誹謗中傷と取れるものも多く陣営が危機感を覚えるのも当然かもしれない。
準々決勝で起きた疑惑の誤審問題をおさらいするとこうだ。
残り1分24秒のところで永山が内股を仕掛けたが、潰されてそのまま寝技に持ち込まれてしまった。永山はガリゴスに上になられ、横に向きが変わって首を絞められた。だが、決めきれないと見たのか、女性審判は左手をあげて「待て」を宣告した。永山は、その声が聞こえたが、スペイン紙「アス」によるとガリゴスは「主審のそれ(待ての声)は(会場の)音で聞こえなかった」という。ガリゴスは、そのまま絞め続けて、永山は落ちた。技が解かれると永山は畳の上で大の字になった。「待て」後の絞め技は無効だが、主審は、なんと片手絞めによるガリゴスの1本負けを宣告した。納得のいかない永山は両手を広げて抗議の意思を示し、ガリゴスとの握手も拒否。ガリゴスは礼をして畳を降りたが、永山は、5分間、その場に居座り「映像での再確認」を求めた。