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女子スケートボード(ストリート)で金メダルの吉沢恋(右)と銀メダルの赤間凛音(左)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
女子スケートボード(ストリート)で金メダルの吉沢恋(右)と銀メダルの赤間凛音(左)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

「観客が息をのむトリック」海外メディアは女子スケボー吉沢恋&赤間凜音のティーンエイジャーの金銀独占を賞賛

 

「アカマはトリックを立て続けに成功させて1位をキープし、金メダルへの最短距離にいると見られていたが、ヨシザワは4つ目のトリックで大きなレールを滑り降る大技を成功させて同胞を抜いた。観客が息を呑んだこのトリックは、この日の最高得点となった。ヨシザワは5回目のトリックに挑戦する前にすでに金メダルを獲得していたが、彼女は勝利の儀式として最後のトリックも成功させた」
 同メディアはさらにの記事で、14歳の吉沢が金、15歳の赤間が銀、16歳のレアウが銅で表彰台に立った光景を次のように伝えている。
「表彰台に3人のティーンエイジャーが上がる光景は他のオリンピック競技ではまずありえないが、スケートボードの女子ストリートではそうではない。同じく3人のティーンエイジャーが表彰台を独占した前回東京大会に続いて、エッフェル塔やグラン・パレ、凱旋門といったパリの歴史的建造物を背景に決勝では8人全員がティーンエイジャーとなったスケーターたちが技を競い合った。若い観客をオリンピックに呼び込もうと国際オリンピック委員会が努力を重ねているなか、スケートボード競技がオリンピックのプログラムに追加された前回大会から、テレビの視聴率は右肩上がりに転じている」
 東京五輪金メダリストでまだ16歳の西矢や、昨年12月の世界選手権を制した17歳の織田夢海(ゆめか、サンリオ)らがパリ五輪代表に入れないほど選手層が増した。3年前の西矢を見て、五輪を初めて意識した吉沢が感謝の思いを捧げる。
「自分をこの舞台に立たせてくれたのは、自分が追いかけてきた先輩たちのおかげなので感謝したいですし、これからは自分が追いかけられる存在になりたい。みんなに抜かされないように、レベルアップできるように頑張っていきたい」
 昨夏に骨盤と鎖骨を骨折するアクシデントに見舞われながらも復活と五輪代表入りを果たし、決勝では吉沢と歴史に残るデッドヒートを演じた世界ランキング2位の赤間も、吉沢、そして中山と切磋琢磨してきた日々に感謝している。
「いままでもらったどのメダルよりもすごく重たくて、本当に感動しています。ただ、今回のオリンピックでも2人がいなかったら、銀メダルは取れていなかったと思うし、大会までの期間中もみんなで励まし合いながら、そして相談しながらやってきました。2人ともすごくかけがえのない存在だと思っています」
 ベストトリックで果敢に大技に挑みながら5本すべてで失敗し、最終的には7位で2度目の五輪を終えた中山は、パリ五輪の金メダリストになった吉沢の姿を、笑顔を浮かべながら自らのスアートフォンで撮影していた。そして、吉沢を真っ先に祝福したのは、8位だったクロイ・コベル(14、オーストラリア)だった。
 競技に臨む全員がお互いを称え合うのも、スケートボード競技が世界に誇れる文化である。火花を散らす真剣勝負と微笑ましい光景の両方を刻み、日本の新たなお家芸競技になりそうな可能性も残して、ティーンエイジャーたちの戦いが幕を閉じた。
 そして興奮の余韻が残る29日には、雨で27日の実施予定が延期されていた、14歳の小野寺吟雲(ぎんう、シュガーアンドスパイス)、白井空良(22、ムラサキスポーツ)、そして東京五輪金メダリストの堀米雄斗(25、三井住友DSアセットマネジメント)が出場する男子ストリートの予選および決勝が行われる。

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