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疑惑の誤審問題で揺れた永山とガリゴスが“和解”(写真・ロイター/アフロ)
疑惑の誤審問題で揺れた永山とガリゴスが“和解”(写真・ロイター/アフロ)

「彼から謝罪の言葉が…」柔道“疑惑の誤審問題”の永山竜樹とガリゴスが“和解”…女性審判の過去疑惑は当事者の高藤直寿が完全否定で“騒動”は収束へ

 パリ五輪の柔道男子60キロ級で銅メダルを獲得した永山竜樹(28、SBC湘南美容クリニック)が30日、自身のXで同じく銅メダルのフランシスコ・ガリゴス(29、スペイン)から謝罪を受けて“和解”したことを明かした。両者は準々決勝で対戦したが「待て」がかかった後にもガリゴスが絞め続け永山が“失神”、女性審判のエリザベス・ゴンザレス氏(37)は、永山に不可解な1本負けを宣告していた。またゴンザレス氏には過去にも誤審疑惑があったことが指摘されていたが、その当事者の高藤直寿(31、パーク24)がXで完全否定した。

 「私たちは柔道ファミリーです」

 ガリゴスとゴンザレス氏のインスタに批判コメントが殺到するなど、世界的な騒動に発展していた柔道の“疑惑の誤審問題”がようやく収束に向かいそうだ。この日、永山は、自身のXを更新。「ガリゴス選手が会いに来てくれました! 彼から謝罪の言葉がありましたが、彼にとっても不本意な結果だったと思います。オリンピックの舞台で彼と全力で戦えた事を幸せに思います。 誰がなんと言おうと私たちは柔道ファミリーです!」(原文ママ)との言葉と共に互いに肩を寄せガッツポーズを作るツーショット写真を掲載した。
 この“和解”のポストには30万を超える「いいね」がつき反響の大きさを示した。
 2人は準々決勝で対戦。永山が先に仕掛けたが、そのまま寝技に持ち込まれ、上になられて絞め技を受けた。横になり膠着したところで審判のゴンザレス氏は手を上げて「待て」を宣告した。だが、スペイン紙「アス」によるとガリゴスは、「主審のそれ(待ての声)は(会場の)音で聞こえなかった」という。ガリゴスは、そのまま絞め続け、永山が落ちた。本来であれば「待て」以降の攻撃は無効だが、ゴンザレス氏は「片手絞め」でガリゴスの1本勝ちを宣告した。
 納得のいかない永山は、両手を広げて抗議の意を示し、ガリゴスからの握手を拒否。そのまま畳に5分ほど居座り、映像による確認を求めたが、受け入れられず、コーチの抗議でも判定は覆らなかった。約8000人の観客は、永山の態度にブーイングを浴びせかけた。
 だが「待て」の後にも絞め技を続けた行為に怒った世界中の視聴者からの批判コメントがガリゴスのインスタに殺到。「銅メダルを返上しろ」「あなたの行為は殺人未遂だ」などの厳しい声や誹謗中傷に近いコメントも書き込まれた。
 スペイン紙「アス」によるとガリゴスを15年間指導しているコーチのキノ・ルイス氏が「ガリゴスは不愉快なメッセージを受け取っているが、私には理解できない。私は(批判している)彼らが正しくないと思うし、私は死ぬまでガリゴスを守るつもりだ」と反論する異常な事態となっていた。
 だが、「待て」の声が聞こえなかったためとはいえ、絞め続けたガリゴスが、永山に謝罪して、永山もそれを受け入れたことで、この問題は解決に向かうと考えられる。 
 永山は「柔道ファミリー」と表現した。畳を降りれば同じ志を持つ柔道家同士。五輪の精神である素晴らしいスポーツマンシップを永山とガリゴスは示した。

 

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