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体操女子団体を戦った左から岸里奈、中村遥香、 岡村真、牛奥小羽(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
体操女子団体を戦った左から岸里奈、中村遥香、 岡村真、牛奥小羽(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

パリ五輪8位に終わった体操女子日本に喫煙&飲酒で出場を辞退した宮田笙子が不在の影響はあったのか?

 パリ五輪女子体操団体の決勝が30日、ベルシー・アリーナで行われ、60年ぶりのメダルを狙った日本は、2つ大きなミスが出て計159.463点に留まり8位に終わった。日本は直前に喫煙&飲酒の発覚で主将の宮田笙子(19、順大)が辞退、補欠の起用がルール上できず、牛奥小羽(19、日体大)、岡村真(19、相好ク)、岸里奈(16、戸田市SC)、中村遥香(16、なんばク)の4人だけで戦うことになったが、宮田不在の影響が少なからず出てしまう結果となった。なお復活したスーパースターのシモーネ・バイルズ(27)の演技が輝いた米国が2大会ぶりに金メダルを獲得、銀がイタリア、銅がブラジルだった。

 平行棒で痛恨の落下ミス

 

 厳しい現実を突きつけられた。平均台、ゆか、跳馬、段違い平行棒の4種目を通じて一度も8位の位置から浮上できないまま女子の体操ニッポンの団体決勝は終わった。
 中村が最初の種目だった平均台で3回連続宙がえりの最後に右足を踏み外して落下。12.800点と得点が伸びず、得意の段違い平行棒でもG難度の 「デフ」、オリジナルのD難度「ナカムラ」と成功しながらも、終盤にフット1回ひねりができず、半分ひねりになるなどし着地も乱れた。減点が重なりDスコアが5.8と評価されたものの、Eスコアを6633点と大きく下げ、12.433点に終わってしまった。
 その中村だけが、「平均台の時から決勝という雰囲気に飲まれてしまって1日いい演技ができなかった。それをしっかりと次に生かしたい」と悔し涙を流したが、あとの3人は笑顔で、演技を振り返った。
 大会直前にエースで主将の宮田の喫煙&飲酒が発覚して代表を辞退するというショッキングなニュースがチームを襲った。怪我や病気で欠場ではないため補欠選手との交代が認められず4人で戦わねばならない状況に追い込まれた。彼女たちは、決勝の各国紹介の際には首を可愛く傾け、左手を伸ばし、右手を胸の前に置く宮田のゆかでの“決めポーズ”を全員で作って入場した。宮田の気持ちを背負って戦う決意を示したのかもしれない。
 エース格だった岸は、「予選のときのようにいかなかった部分はある。(宮田の問題などを乗り越えて)ひとまわり大きくなったと思う。最高に楽しいメンバーだと思います」と語り、岡村も、「アメリカ、ブラジルという強いチームと一緒に回れたのが楽しかった。演技に課題は残るが、演技できたことが楽しかった。みんなで声を掛け合いながら応援しながらできたのがよかった」と、チームワークになんら影響がなかったことを明かした。
 予選では5位通過。1964年の東京大会以来、60年ぶりのメダル獲得への期待を抱かせたチームが8位に終わった背景に、宮田不在の影響はあったのか。
 アトランタ五輪代表で、跳馬のスぺシャリストの牛奥を代表に送り出した日体大体操競技部の部長である畠田好章氏は、「女子の専門家ではない私が評価、分析をするのはおこがましいですが」と前置きをした上で、こんな感想を口にした。
「宮田さんがいなくなった影響があったか、なかったか、と言えば、あったでしょう。5人のうち3人が出るのと、4人のうち3人が出るのでは、体力的な負担はそこまではないと思いますが、組み合わせという点では違ったと思います。すべてが“たられば”になりますが、宮田さんは、全種目に出場予定でした。跳馬が得意種目ではなく、本来出る予定ではなかった中村さんに代わって宮田さんが出ていれば、Dスコアだけで4.2から5点台になるわけですから1点以上は違ったかもしれません。またゆかや平行棒でも少し点数が上がった可能性もあります。でも、もし宮田さんが出場していたとしても出来がどうだったのかという不確定部分があり、結果がどう変わっていたかはわかりません」

 

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