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柔道の混合団体の代表戦で死闘を演じたリネールと斉藤は互いを称え合った(写真・ロイター/アフロ)
柔道の混合団体の代表戦で死闘を演じたリネールと斉藤は互いを称え合った(写真・ロイター/アフロ)

「まったくの茶番だ」「作為的に仕組まれた」パリ五輪の柔道混合団体決勝の代表戦ルーレットが“英雄”リネールの「+90Kg」で止まった問題に海外SNSでも“陰謀説”渦巻く

 

 試合直後のフラッシュインタビューで斉藤は「すみません」と言葉を絞り出した。混合団体戦の初戦のスペイン戦で敗れ、鈴木桂治監督に「おまえは何しに来たんだ。意地を出せ!ここで死ね。死ぬ気でやるんだ。(亡くなった君の父の)斉藤先生が見ていたら絶対にそう言っている」と檄をかけられたことを明かした。
「終盤は、自分のペースになってきて、だんだんと、これからっていうときに(技を)かけられて防げなくて。本当に今日勝たないと、いつ勝つんだという場面で勝てなくて顔向けができないです。すみませんでした」
 開催国のフランスにとって、無作為のルーレットからのすべてが、まるでシナリオでもあるような最高のフィナーレとなった。
 五輪の公式サイトは、「観客は熱狂した。土曜日の試合後に引退するつもりだと語っていたリネールが、斉藤との代表戦に選ばれたのは、柔道というスポーツが、彼の伝説的なキャリアがまだ終わっていないと決めたかのようだった。彼が選ばれると、観客は再び熱狂した。2人が畳に上がると、観客全員が固唾をのんで見守った。リネールは、得意の技で斉藤を破り、自らの伝説を確固たるものとした。そして、金メダルをフランスに持ち帰った」と、100キロ超級の金メダル獲得後にリネールが今大会を最後に引退することを示唆した発言に重ね、ルーレットの決定をよりドラマチックなものに例えた。忖度のない解説が好評の天理大監督である穴井隆将氏も、試合中継の中で「そこで90キロ超になるかなあ。なんでなるかあ、彼がもっているのかな」と嘆くようにつぶやいた。
 だが、納得がいかないのが、純粋な柔道ファンや五輪ファンだ。
 日本のファンが「出来レースでは?」とコンピューターによる抽選を疑うのも無理はないが、英語圏やフランス語圏の海外のSNSでも疑問の声が飛び交っている。
 海外のX投稿では陰謀論を疑うポストが多数あった。
「あの柔道のルーレットはフランスの英雄を登場させるために完全に仕組まれたものだった」、「私はフランス人だが、代表戦の抽選はフランスに有利になるように操作されていたと思う。日本よ!君たちはメダルを獲得するに値する」、「まったくの茶番だ。君たちがリネールに素晴らしい結末を用意したかったのは理解できるが、魔法のようにランダムにどこからともなく最終的に90キロ級超になったのか?」、「ルーレットのプログラムは調査されるべき。フランスによる完全な罠だ」などとコンピューターシステムの開示を要求するものまであった。

 

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