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米国に敗れパリ五輪の戦いを終えたなでしこジャパン。左から田中美南、南萌華、古賀塔子、熊谷紗希(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
米国に敗れパリ五輪の戦いを終えたなでしこジャパン。左から田中美南、南萌華、古賀塔子、熊谷紗希(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

「なぜ長谷川唯を代えた?池田監督の解任を考えよ」パリ五輪女子サッカーで米国に敗れ8強敗退のなでしこジャパンに元監督から厳しい指摘

 鈴木氏は「われわれには知り得ない、怪我や疲労などのアクシデントがあったのかもしれない」としながら、キープレイヤーの交代に疑問を呈している。
「常識的には最後まで使いたい選手。リードしていて逃げ切る場合ならばともかく、負けている試合で代える選手ではないですよね。延長後半の日本はパワープレーを仕掛けましたが、長谷川のセンスや北川の左足がなければ、パワープレーも機能しない。残念ながら延長後半はさらに可能性が感じられなくなった。ゴールが絶対に必要な状況で、どのような戦術を駆使すればいいのか。選手個々の判断ではなかなかうまくいかない。監督が徹底させなければ統一感は生まれない。実際にチームのなかにいないので断言はできないが、外から見ている限りでは池田監督の指示は感じられなかった」
 藤野に加えて、今大会を通じて好調をキープしたFW植木理子(25)もウェストハムへ移籍する。長谷川や藤野、浜野、宮澤らはヨーロッパの新シーズンで、それぞれの所属クラブで個々の力をあげていく。しかし、鈴木氏は「選手たちの成長は言うまでもない」と前置きしたうえで、池田監督の責任も追及するべきだと指摘する。
「結果を出せなければ、解任を考えなければいけない。ヨーロッパのサッカー先進国は、勝てない試合が続けばメディアやファン・サポーターからの風当たりが強くなるし、サッカー協会もあれこれと考えざるをえなくなる。そうした点で、日本サッカー界はまだまだのんびりしているといっても過言ではない。男子を含めて、日本代表はよくやった、頑張ったでは許されない。個人的には今回のなでしこジャパンには大きな可能性を感じていたし、もっともっとゴールをあげられるチームのはずだった。だからこそ、監督の去就を含めて、日本サッカー協会には今後の方向性をもう一度考え直してほしい」
 2021年の東京五輪、昨夏の女子W杯、そしてパリ五輪となでしこは3大会連続でベスト8の壁に阻まれている。グループステージ初戦からすべて中2日の過密日程を戦ってきたパリ五輪は、予期せぬアクシデントがあったかもしれない。それでも、勝機を見出せなかったアメリカ戦の検証は、再び駆けあがっていくうえで必要不可欠となる。

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