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全敗で予選リーグで敗退となり馬瓜エブリン(左)と宮崎早織が涙する(ⒸFIBA)
全敗で予選リーグで敗退となり馬瓜エブリン(左)と宮崎早織が涙する(ⒸFIBA)

東京銀がなぜ全敗?「渡嘉敷を外したことが敗因ではない」…パリ五輪女子バスケットで日本がベルギーに完敗し予選リーグ敗退

 パリ五輪女子バスケットボールのグループフェーズ最終戦が4日、リールのスタッド・ピエール・モーロワで行われ、前回東京五輪銀メダルの日本はベルギーに58-85で敗れ、3戦全敗のグループC最下位で大会を終えた。ベルギーに大差で勝てば決勝トーナメント進出の可能性を残していた日本は序盤から劣勢を強いられ、生命線のスリーポイントシュート(3P)も成功率わずか24.3パーセントに封じられた。東京五輪で世界を驚かせた日本は、なぜ得失点差が「マイナス64」に達する惨敗を喫したのか。

 

 時間の経過とともに、希望が絶望に変わっていく。
 世界ランキング9位の日本が同6位のベルギーに大差をつけて勝ったうえで、続けて行われるグループBの結果次第で、日本が決勝トーナメントへ進出する可能性を残していたグループフェーズ最終戦。しかし、大前提となる勝利そのものが、7-19で落とした第1クオーターを皮切りにどんどん遠ざかっていった。
 生命線としてきた3Pが決まらない。第1クオーターには7本放って成功したのはまさかの0本。第2クオーターの残り7分58秒に赤穂ひまわり(25、デンソーアイリス)がようやく決めたが、最終的には37本を放って9本と、40パーセントを目標に掲げる成功率はわずか24.3パーセントにとどまった。
 両チームは3年前の東京五輪の準々決勝でも激突。最終クオーターの残り15.2秒で林咲希(29、富士通レッドウェーブ)で3Pを決めて、86-85と劇的な逆転勝利を手にした日本がそのまま史上最高位の銀メダルへと駆けあがった。
 キャプテンとして2度目の五輪に臨んだ林は、最終的には27点もの大差をつけられたベルギー戦を、試合後のフラッシュインタビューでこう振り返っている。
「私たちが走りきれた部分を含めていい場面もありましたけど、ベルギーの圧力もすごくて、自分たちが止めきれなかった部分がたくさんあった。1勝したかったし、次(決勝トーナメント)に進みたかった、という気持ちが強い」
 現在は男子日本代表を率いるトム・ホーバス前ヘッドコーチ(HC、57)から「特別なシューター」と信頼されていた林も、ベルギー戦ではチーム最多の13本を放ちながら成功は3本、成功率23.1パーセントにとどまった。
 もっとも、グループフェーズの3試合で、日本は3Pの成功率だけでなく、リバウンドの攻防でも大苦戦を強いられ続けた。
 リバウンド数を振り返れば、米国との初戦で27-56、ドイツとの第2戦で34-48、そしてベルギーとの最終戦では32-45と大差をつけられた。こうしたスタッツに、身長193cmの高さを武器に長く代表をけん引してきた、渡嘉敷来夢(33、アイシン・ウィングス)のパリ五輪代表落選を敗因にあげる声がSNS上で飛び交った。
 しかし、現在は大学でヘッドコーチを務め、米国で学んだ経験のあるバスケットボールの専門家は、「日本がパリ五輪で結果を出せなかった原因は3つある」と指摘。アメリカ戦でチーム最多5本の3Pを含めて、17得点をあげた山本麻衣(24、トヨタ自動車アンテロープス)の欠場を真っ先にあげた。

 

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