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トライアスロンのスイム会場のセーヌ川の汚れた水質問題が深刻化している(写真・ロイター/アフロ)
トライアスロンのスイム会場のセーヌ川の汚れた水質問題が深刻化している(写真・ロイター/アフロ)

「水は茶色で気持ち悪かった」“汚れた”セーヌ川で大腸菌感染者が出てもトライアスロン混合が強行され選手が苦情…ネズミの尿などで他の細菌感染症リスクを懸念する声も

 米誌「フォーブス」は、「オリンピックの選手たちが心配すべきは大腸菌だけではない。汚染された水によるその他の感染症は、症状が現れるまでに時間がかかり、その後も発症する可能性がある」と報じた。
 同誌によると、水質検査は、毎日実施されているが、その検査では「包括的な大腸菌群の数を調べていない」と指摘している。
 7月31日に行われたトライアスロン男子・女子レースでは、水質基準が許容範囲であったと発表されて、競技が強行されたが、第3者機関の水質検査では「7月31日にレースが行われた際の水質は、浮遊性大腸菌群のカウントでは許容範囲内だったが、包括的な大腸菌群のカウントでは制限値を超えていた」という。
 同誌が懸念する潜伏期間の長い感染症としては、主にネズミや他の哺乳類の尿を介して感染する細菌感染症であるレプトスピラ症のリスクがある。このレプトスピラ症は、感染から5日から14日後に発症するのが一般的で、主な症状に頭痛、発熱、筋肉痛で、結膜の充血などがあるという。
 それでも、トライアスロン男子で金メダルを獲得した英国のアレックス・リーは、トライアスロンの専門メディア「220トライアスロン」にこうコメントしている。
「基本的に、私達は競技を行うためにきれいな水が必要だ。フランスは積極的に対応してくれたと思う。それは誇りに思って欲しい。私たちには『レースには出ない。競技から身を引く』という選択肢もある。あるいは与えられたアドバイスに耳を傾け予防措置を講じつつ情報を信頼するという方法もある」
 セーヌ川を使う競技として男子・女子のマラソンスイミングが残っている。長い時間、セーヌ川の汚れた水の中を泳ぐ競技だけに懸念は残るのだが…。

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