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  • 裏でインド首相まで動く?須崎を破ったビネシュの計量失格に異議申し立ての大騒ぎ…親族がコーチ非難の“内紛”も…徹夜で自転車を漕ぎ、血を抜き、髪を切る壮絶減量も150ℊ超過
須崎を破る金星をあげながら計量ミスでメダルを逃したガネシュがスポーツ仲裁裁判所に銀メダルの権利を主張して提訴(写真・AP/アフロ)
須崎を破る金星をあげながら計量ミスでメダルを逃したガネシュがスポーツ仲裁裁判所に銀メダルの権利を主張して提訴(写真・AP/アフロ)

裏でインド首相まで動く?須崎を破ったビネシュの計量失格に異議申し立ての大騒ぎ…親族がコーチ非難の“内紛”も…徹夜で自転車を漕ぎ、血を抜き、髪を切る壮絶減量も150ℊ超過

 モディ首相は、PTウシャ会長から、ビネシュの計量失敗についての経緯や情報を収集し、ここから可能な善後策の選択肢を聞いた上で、救済できるのであれば、関係機関に強く異議申し立てを行うように“指令”したという。
 PTウシャ会長は、その首相指令に沿って動き、ビネシュを医療センターに見舞い、話を聞いた上で、インドレスリング連盟を通じて、大会を運営している世界レスリング連合へ「失格の決定を再考してもらいたい」との異議申し立てを行ったことを明かした。ただ計量機器に不正の疑いなどある場合や、数グラムの誤差だったような場合などを除き、失格の決定が覆ることはない。
 一方で、ビネシュの親族は、体重管理を怠ったインドのコーチ陣と医療スタッフに対して怒りの声をあげた。インドのPTI通信社によると、ビネシュの叔父であるマハヴィル・シン・ビネシュは、こう非難した。
「起こったことにはガッカリした。国全体が彼女の金メダルを期待していた。彼女の体重がコントロールされていることを確認するのはコーチの責任だ。なぜ彼女の体重が増加したかの原因について答えることができるのはコーチと医師だけで、それ(体重コントロール)は彼らの責任だった」
 2日続けて計量があるため、減量の厳しい選手に対しては、初日のリカバリーには注意するのが常識。コーチ陣がビネシュの計量後や試合後の食事をしっかりと管理していなかった可能性もあり、インド国内の騒ぎの大きさを考えると、今後は、レスリングチームの管理責任が問われる事態になるのかもしれない。
 なおビネシュの計量失格を受け、世界レスリング連合の競技規則第11条によって、決勝は、ビネシュと対戦予定だったヒルダーブラントと準決勝でビネシュに敗れたジュスネイリス・グスマンロペス(キューバ)で争われ、3-0でヒルダーブラントが金メダルを獲得した。
 またビネシュに敗れた須崎は、3位決定戦に直行することになり、オクサナ・リバチ(ウクライナ)との対戦では積極的にタックルを仕掛けて次々と決めて第2ピリオド途中で10―0のテクニカルフォール勝を収め、意地の銅メダルを手にしている。計量もクリアできないような失態を犯したレスラーに敗れた須崎が最もやりきれない思いでいるのかもしれない。

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