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日本チームにも男子選手は1人もエントリーしていなかった(写真:松尾/アフロスポーツ)
日本チームにも男子選手は1人もエントリーしていなかった(写真:松尾/アフロスポーツ)

なぜパリ五輪から男女に解禁されたアーティスティックスイミングに1人も男子選手が出場しなかったのか…「力強さはあっても必要な技術がない」…代表漏れに失望して引退した選手も

 

「アーティスティックスイミング(もはやシンクロナイズドスイミングとは呼ばれない)は、1984年のロス五輪で初登場し、このスポーツの詩的かつ技術的な用語集を再確認する機会を提供した。40年が経ち、世界水泳連盟は、このスポーツをパリ大会に向けて刷新することを望み、これまで女性にのみに限定されていたという異常な状態に終止符を打つことを目指し、2022年12月にチーム競技に男子選手も参加できるようになると発表した。ただし1チームにつき最大2名まで。先に2015年の世界選手権からは男子選手も参加できるようになっていた。これは、このスポーツの型にはまったイメージを打破するための措置だった」と、男子選手の参加に踏み切った経緯を説明。長年、男子選手が参加する土壌のなかった競技ゆえ、男子選手の競技人口も少なく、レベルが上がらなかったという見解を伝えた。
 世界水泳連盟は、「男性の参加資格が確認されたのは、わずか18か月前であることを考えると、男性選手にとって、2024年のパリ大会に間に合うようにチームのメンバーとして出場資格を得ることが難しい課題だったことは理解している。それでも何人かは成功するだろうと期待していた」とコメント。
男子も出場できるようになったルールの変更から五輪までの時間が短く、準備期間が取れなかったことを理由のひとつに加えた。
 歴史を作る有力選手とみなされながら代表入りを逃したのは、米国のメイだけではない。イタリアのジョルジョ・ミニシーニもそのひとりだ。ミニシーニは2022年世界選手権の金メダリストだったが、今回、代表入りを果たせなかった。
 ミニシーニは、代表入りを逃した後、「私は本当にオリンピックに出たかった。もはや何の喜びも感じられなくなっていた練習を、トンネルの向こうに五輪旗が見えて、すべてに意味を与えることができるかもしれないという期待だけで続けていた」と話し、代表漏れと同時に引退を発表している。
 4年後のロス大会では歴史が塗り替えられるだろうか。

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