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全体4位のタイムで予選突破を決めた“リレー侍”。左から上山紘輝、 サニブラウン、 栁田大輝、桐生祥秀(写真・ロイター/アフロ)
全体4位のタイムで予選突破を決めた“リレー侍”。左から上山紘輝、 サニブラウン、 栁田大輝、桐生祥秀(写真・ロイター/アフロ)

「仲間を信じて」パリ五輪“リレー侍”が「1走」サニブラウンの戦略ズバリで全体4位タイムで決勝進出を決める…メダル獲得の可能性は?

 パリ五輪陸上の400mリレー予選が8日、スタッド・ド・フランスで行われ、サニブラウン・アブデル・ハキーム(25、東レ)、柳田大輝(21、東洋大)、桐生祥秀(28、日本生命)、上山紘輝(25、住友電工)で挑んだ日本は、1組4着だったが、38秒06が全体4位の好タイムだったためタイムで救われ、7大会連続8度目の決勝進出を決めた。日本は東京五輪ではバトンミスで途中棄権となったが、2008年北京五輪、2016年リオ五輪で銀メダルを獲得している。決勝に進出したのは、イタリア、日本、イギリス、アメリカ、フランス、南アフリカ、中国、カナダの8チーム。今日9日の決勝で日本はメダル獲得できるのか?

 

 東京五輪は悪夢に終わったリレー侍がリベンジの舞台に立つことになった。
 予選の通過条件は各組上位3着+タイム上位2チーム。日本は英国、米国、イタリアと同じ〝死のグループ〟といえる1組に入った。
 そのなかで1走はサニブラウン、2走は栁田、3走は桐生、4走は上山というオーダーを組んできた。7月20日のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会は1走・坂井隆一郎(大阪ガス)、2走・栁田、3走・桐生、4走・上山 というオーダーで臨み、38秒04で優勝している。パリ五輪ではサニブラウンが4走に入るかと思われたが1走に起用してきた。これは5月の世界リレー(予選)と同じパターンだ。
 都内で行われた公開練習時に日本陸連の土江寛裕短距離ディレクターがこんなことを言っていた。
「ハキームの1走がとんでもなく良かった。しかもバトンを受けるより、渡す方がストレスは低いんですよ。そう考えると、ハキームの1走は個人種目に対してもプラスの影響はあるかなと思うんですけど、ナショナルチャンピオンの坂井君は1走のスペシャリストでもある。誰かを外して、最高のオーダーを作っていくことになります。今回は(走順の)バリエーションが5、6パターンもある。本当に全く決めきれていません」
 悩んだ末での1走・サニブラウンだった。
 パリ五輪の男子100mでは、9秒96を叩きだしながら決勝進出を逃したが、日本のエースは、米国のコールマンを相手にトップ争いを展開した。しかし、2走・栁田とのバトンパスで少し詰まり順位を落とす。3走・桐生が必死に追い上げるも、アンカー上山は着順争いに競り負けた。日本のタイムは38秒06。3着の英国と0秒02差の4着となった。
 レース直後のインタビューでは、「走り自体は悪くなかったと思います。バトンのところで若干もたついたかなと思うんですけど、及第点くらいのバトンパスはしたと思います」とサニブラウン。2走の栁田は、「スピードには乗れていたと思うので、見た目以上のロスはなかったかなと思います。走りもまずまずだったと思います」と話していた。
 3走の桐生は「1番で渡せるように心がけていました」とバトンを渡した後は、自然と大声が出た。アンカー上山は「順位をひとつでも上げてゴールできたらいいなと思っていました」とレースを振り返った。
 次組の結果待ちとなり、4人はソワソワしていたが、2組は荒れたレースになった。上位で進めていたチームにバトンミスが重なり、中国が38秒24で1着。日本はタイムで拾われ、ファイナル進出を決めたのだ。その後のテレビインタビューでは、選手たちは力強いコメントを残している。
「1組目は(強いチームが)固まっていたので、プラスで進めるのはこの組からというのはわかっていました。そのなかでも着順で通りたい気持ちはありましたが、しっかり決勝にいけたので、いいレーンをもらえるのを期待するしかない感じです」(サニブラウン)
「あと1本しかないので、思い切り走って終わりたいなと思います」(栁田)
「仲間を信じてしっかり出て、しっかり渡したいと思います」(桐生)
「チーム一丸となって、明日の決勝で勝負できるように頑張りたいと思います」(上山)

 

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