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大会前に公開されていた選手村の食事。焼きたてのフランスパンは美味しそうだったが…(写真・AP/アフロ)
大会前に公開されていた選手村の食事。焼きたてのフランスパンは美味しそうだったが…(写真・AP/アフロ)

「火の通っていない生肉まで出た」パリ五輪で最悪の評判だった選手村の食事をどう総括すべきか…チョコレートマフィンだけは絶品だった説も

 パリ五輪では選手村の食事問題が大きな話題となった。肉や魚などのタンパク質が少ないという不満から始まり、「魚の中に虫がいた」という選手の衝撃告白まであった。今大会では選手村では温室効果ガスの排出量削減目標を達成するためにベジタリアンメニューを多く提供したが、専門家や海外メディアは「このアプローチは選手には好意的に受け入れられなかった。成功には疑問符」と厳しく総括した。

 食糧持続可能性をテーマにしたアプローチに疑問符

 フランスが世界へ誇る食文化もアスリートには響かなかった。
 パリ五輪の選手村では約1万5000人の選手に毎日、約4万食の食事が提供されたが、問題点ばかりが指摘された。パリ五輪では、食糧持続可能性をテーマにしたため、選手村の食事メニューも植物由来の食品を使ったものが多く、アスリートが欲する肉や卵などの高タンパク質のメニューがすぐ品切れとなり、開幕すぐに苦情が殺到した。
 これについては大会本部はすぐに対応。英BBCの総括記事によると、パリ五輪の食事担当者のトップであるフィリップ・ヴェレツ氏「植物由来の食品が全体の60%を占めるという割合は観客向けの会場のみに適用されるもので、選手村の選手には適用されていない」と強調。ケータリングの公式パートナーである「ソデクソ・ライブ!」の広報担当バレンタイン・セレス氏は「すべての品目が十分な量で提供されている」と言い訳をした。
 また英国の競泳男子100メートル平泳ぎの銀メダリストのアダム・ピーティが「魚に虫が入っていた」と衝撃証言。米国の体操代表のスーパースターのシモーネ・バイルズは「ちゃんとしたフランス料理じゃない」と親指を下に向け英国オリンピック協会のアンディ・アンソン会長は「(ちゃんと過熱処理のされていない)生の肉が出ている」とクレームをつけた。
 海外メディアは、これらの選手村の食事について総括。
 米NBCは「パリ五輪のマニフェストは、フランスの歴史的な料理の卓越性と、気候危機に対処するための食糧持続可能性の必要性を組み合わせようとするものだった。このアプローチは、結果として選手たちには好意的に受け止められなかった。植物由来の代替品を推奨するメニューにタンパク質が不足していると不満を訴える選手もいれば、食材が生のまま提供されたり、魚に虫が混入していたりという報告が散見されるなど、品質が標準以下であると主張する選手もいた。これにより大会が野望を成功させたかどうかについて疑問符が付くことになった」とバッサリと斬って捨てた。

 

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