新競技ブレイキン女子で金メダルを獲得したAMI(湯浅亜実)も授与式でお決まりのメダルを噛むポーズ(写真:松尾/アフロスポーツ)
新競技ブレイキン女子で金メダルを獲得したAMI(湯浅亜実)も授与式でお決まりのメダルを噛むポーズ(写真:松尾/アフロスポーツ)

なぜパリ五輪のメダリストたちは授与式でメダルを噛んだのか…素朴な疑問の理由とは?

 ではなぜ彼らはメダルを噛むのか。同紙は「現代のオリンピック選手は、主にイベント後のお祝いを撮影するカメラマンの要求を満たすためにメダルを噛む」と、村田諒太の説明と同じく、さほどサプライズのない結論を記した。
「カメラマンたちの(その写真を撮影しなければならないとの)脅迫観念になってしまった」と、2012年の時点で、国際オリンピック史家協会の会長で「オリンピック・コンプリートブック」の共著者であるデビッド・ワレチンスキー氏が、CNNにコメントしていたそうだ。
「彼らは、それを象徴的なショットとして、おそらく売ることができるものとして見ていると思います。アスリートが自発的にやっていることではないと思います」
 同紙は、この現象は五輪だけに限らず、テニス界のスター、ラファエル・ナダルが、全仏オープンの男子シングルスチャンピオンに贈られるトロフィーである「クープ・デ・ムスクテール (四銃士杯)」を噛んだことを例に出した。これもカメラマンに演出されたショットだったという。
 だが、同紙は時にはそのメダル噛みにハプニングもあったことを最後に紹介している。2010年のバンクーバー冬季五輪の男子リュージュで銀メダルを獲得したドイツのダビッド・メラーは、写真撮影で銀メダルを噛んだことで歯を折った。
「カメラマンたちは、私が歯だけでメダルを持っている写真を撮りたかったのです。夕食の後半で歯が少し欠けていることに気づきました」
 そんなコメントが残っているそうだ。
 北口は、噛むポーズだけに留めて、実際には歯を当てていなかったが、メダルにも傷のつくその行為は、ほどほどにしておいた方がよさそう。4年後のロス五輪では、報道カメラマンもそろそろ新しいポーズにトライした方がいいのかもしれない。

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