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比嘉大吾と野木トレーナーがWBO世界戦へ向けて練習を公開した(写真・山口裕朗)
比嘉大吾と野木トレーナーがWBO世界戦へ向けて練習を公開した(写真・山口裕朗)

9.3WBO世界戦に向け比嘉大吾が“ムエタイの至宝”吉成名高との異種格闘技スパーで元K-1王者でもある武居対策に万全の構え

 武居対策も万全に行った。スパーリングは合計で150ラウンド近く消化したが、元K-1王者でもある武居の「元キックボクサー独特のパンチのタイミングや、組み合う力などに対応するために」(野木トレーナー)、日本人初のラジャダムナンとルンピニーの統一王者で“ムエタイの至宝”と呼ばれる吉成と計8ラウンドの異種格闘技スパーを行った。しかも吉成は武居と同じサウスポー。
「吉成選手は、まったく予備動作なく左を打ち込んでくるんです。ボディも武居選手に似たような角度で打ってくれたので大きな収穫になった。武居選手の飛び込んでくるフックは吉成選手にはない独特なものですが、あれは見切れます」
 野木トレーナーは自信を深めた。
 現IBF王者の西田との試合でも中に入れずに苦しみ苦手とされるサウスポー対策も徹底してきた。ジムメイトである元OPBF東洋太平洋フェザー級王者の堤駿斗の弟で世界ユースの金メダリストのサウスポー、堤麗斗とスパーを重ねた。
 野木トレーナーは「堤麗斗と打ち合いになっても上回ることがある。こんなに上手いのか、という動きができている。くっついたらサウスポーも右も関係なくなる」と言い、比嘉は「サウスポー対策は集中力だと思う」と手ごたえを感じている。
 減量も練習後で残り4キロ。不安はない。
「(タイトルを)獲ればバンタム級は熱いんで。みんな盛り上がっている階級。まず獲ることを考えて。そっからですね」
 比嘉は集中力を高めた。
 6年5か月ぶりの王座復帰を果たせば、高山勝成(石田)の持つ5年11か月を超える日本人の王座返り咲き最長記録を更新することになる。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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