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2024年夏の甲子園で光った10人のドラフト逸材
2024年夏の甲子園で光った10人のドラフト逸材

“開場100年”夏の甲子園ドラフト候補「プロで見るべき」10人の逸材…元ヤクルト編成部長のノムさん“右腕”が選ぶ

 そして捕手出身の松井氏は「プラスワン」として中京大中京の1m81、90kgの大型捕手である杉浦正悦を付け加えた。甲子園では2試合で8の5で打率.625と打ちまくった。松井氏は宮崎商戦で三盗を決め、捕手の悪送球を誘って先取点を奪ったシーンに「準備と観察力を持っている証拠。持っている素材を実戦に結びつけることのできるタイプ」と見ている。
 ショートには好選手が揃った。近年アスリート型の大型ショートが増えているのが高校野球のトレンドでもある。その中で松井氏が名前をあげたのは早実の宇野真仁朗、宮崎商の中村奈一輝の2人。宇野は名勝負となった大社戦では、ノーヒットに終わりいいところ無しだったが、松井氏は初戦の鳴門渦潮戦の第1打席でレフト前ヒットを二塁打にした走塁にセンスと可能性を感じた。
「相手が警戒して守備位置が深かったこともあるが、レフト前ヒットで躊躇せず二塁を陥れた。その姿勢は買いたいしスローイングも安定している。進学希望かもしれないが、今後追いかけていきたい存在」
 中村は県大会では投手としてもマウンドに上がり146キロを出す。
「身体能力が高くタイミングにゆったりとした間があり、投手との距離を取れる。守備も一歩目が早い」
 一方でスカウトの間では評判だった花咲徳栄の石塚裕惺、青森山田の吉川勇大の評価は下げた。
「石塚は高いレベルでバランスは取れているがプレーが雑な部分が気になった。吉川は打撃でのインパクトの際の右手の使い方に課題が残る」というのが理由。
 また石橋戦でバックスクリーン横に特大の2ランを放った青森山田の左打ちの大型一塁手の原田純希についても「パワーはあるが、バットのふり幅に課題が残っていて差し込まれる場面が目立ち、低反発バットに対応できていない。一塁という守備位置を考えるとパ・リーグ向きだがドラフトでは手を出しにくい」と厳しい見方をした。
 外野手では大学進学を明かしている大阪桐蔭の境亮陽が一番手。俊足で投手もできるアスリート型の外野手で「同じ大阪桐蔭の徳丸快晴より総合力で上。4年後が楽しみな左打者」との評価。
3拍子揃った神村学園の正林輝大は「能力は高いが右肩が入りすぎて打球がレフト方向にしか飛ばない。修正点が多い」との理由で松井氏のリストには入らなかった。
「8強が出そろうタイミングで、ほぼネット裏からプロのスカウトはいなくなるが、決勝戦という大きな舞台を経験するだけで成長する選手もいるのが甲子園」
 それぞれの思いを胸に明日全国3441校の頂点が決まる。

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