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大谷と通訳のアイアトンだけでなく名物レポーターのワトソンさんもウォーターシャワーの洗礼を浴びた(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
大谷と通訳のアイアトンだけでなく名物レポーターのワトソンさんもウォーターシャワーの洗礼を浴びた(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

「彼を語るまでもない。ド軍には正しく我々には間違った打者」大谷翔平に「40-40」を決める歴史的なサヨナラ満塁弾を浴びたレイズの左腕は何を語ったか

 そして劇的な形での記録達成をお膳立てしまった今季16ホールド2セーブのポシェは、もう悔しさを通り越していた。MLB公式サイトによると、試合後、こうコメントを残している。
「満塁の場面で巡ってくる打者として(大谷は)ドジャースにとっては正しく、我々にとっては間違っていた選手だった。彼がどのようなタイプの選手かを語るまでもない。彼は決定的瞬間を勝ち取ったんだ」
 逃げられない場面で大谷に回ってきたことが不幸だったのだ。
 なぜ大谷は「40-40」を達成できたのか。
 ロバーツ監督は「きっと40-40は春季キャンプから彼のレーダー(目標)にあったものだと思う。彼は、常に野球のプレーにおいて最高の選手になりたいと考えていて、このようなことを成し遂げていくことが、確かなその主張になってくる」とモチベーションを理由にあげた。
 ロサンゼルスタイムズ紙は、昨年9月の右肘手術により、打者に専念できていることを理由のひとつに挙げた。
「エンゼルスでの2021年と2023年にMVPを獲得した大谷は40本塁打以上を放っているが、一方で投球のために体を守る上でエネルギー消費を抑えようと走塁にある程度の制限を設けていた。今季まで彼は26盗塁以上をしたことがなかった。しかし2025年まではマウンドに戻らないと見込まれる中で(走塁制限は解除され)40-40へ向けた動きが今年の焦点となっていた」
 ファンの注目は過去に誰一人達成したことのない「50-50」への挑戦だ。残り33試合。過去に「40-40」を達成した5人の打者で最多本塁打はソリアーノの46本塁打だったという。ロバーツ監督は、その可能性に触れ、こう語っている。
「彼が勝利のためにプレーを続け、いい打席を持ち、相手が彼に与えるなら四球を得られるように願っている。しかし、もし相手が彼にストライクを投げるのであれば、ショウヘイにとって何でも可能となる」
 勝負さえしてくれれば可能だとの予測だ。
 ロサンゼルスタイムズ紙は、「大谷はMVPの圧倒的な有力候補としてシーズン終盤に入り、さらに前例のない歴史を作ろうとしている。彼は、MLB史上初めての45-45を達成しそうだ。もし最後の1か月で調子を上げれば、50-50も問題にならないかもしれない」と予想している。
 だが、大谷自身の目標はそこにはない。
「ポストシーズンに進出して、ワールドシリーズに勝つことが一番の目標。自分の数字は後からついてくればいい」
 それが野球人大谷の理想形。両方の偉業をやり遂げてしまいそうだ。

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