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浦和レッズを悩ますSNSの内部情報流出アカウント。シュツットガルトを退団した原口元気の10年ぶり復帰合意の情報も発信されている(写真・ロイター/アフロ)
浦和レッズを悩ますSNSの内部情報流出アカウント。シュツットガルトを退団した原口元気の10年ぶり復帰合意の情報も発信されている(写真・ロイター/アフロ)

監督更迭発表の5日前に情報漏れ…原口元気の復帰情報も…浦和レッズやBリーグを悩ますSNSの機密情報流出アカウント問題

 SNS全盛の時代にスポーツ界を悩ませているのが内部情報の流出問題だ。バスケットボールのBリーグに続き、電撃的な監督交代に踏み切った浦和レッズにもその問題が起きていた。今シーズンから指揮を執っていたペア=マティアス・ヘグモ監督(64)の更迭と、マチェイ・スコルジャ前監督(52)の再登板を27日に発表した浦和だが、22日の段階ですでに匿名のX(旧ツイッター)でヘグモ監督の更迭が発信されていた。28日に監督交代の経緯が説明されたが、さまざまな発信を続けるSNSに対処する有効手段がない状況が浮き彫りになった。

 8月14日の時点でスコルジャ前監督の復帰も匂わす

 匿名のSNSアカウントを介して、守秘義務を伴っているはずの内部情報が継続的に発信される。プロスポーツ界を揺るがしている、機密情報が流出する問題への対応に、Jリーグを代表する人気クラブの浦和も直面している。
 浦和は28日にさいたま市内のクラブハウスで、フットボール本部の堀之内聖スポーツダイレクター(SD、44)が取材対応。前日27日に電撃発表されたヘグモ監督の更迭と、スコルジャ前監督の復帰に関する経緯を説明した。
 質疑応答のなかで取り上げられたのが、浦和の正式発表よりも前にヘグモ監督の更迭を発信していた、匿名のXアカウント<Marco Molla>の存在だった。
 同アカウントは「独自ニュースを今夜19時に発信 #urawareds」と、22日午後にポストで予告したうえで、実際に次のように発信していた。
「浦和レッズはペア マティアス へグモ監督を遅くとも今季終了後に解任することが決定的に。複数の関係者によると、まもなく最終決定が下される模様で今後の結果次第では前倒しされる可能性がある。後任候補は日本人を中心にリストアップ」
 後任候補に関しては正確な情報ではなかったものの、ここで問題視されるのが、ソースを示した「複数の関係者によると」の部分となる。ごく一部の人間しか知りえない、内部情報が流出している証といっていいからだ。
 特に監督の去就問題に関しては、22日の発信が初めてではなかった。
 たとえば14日のポストでは「来季からの復帰が決定的になった模様。一部選手は反対してるなんて話もありますが…」と、この時点ではスコルジャ前監督の復帰もにおわせている。
 堀之内SDはヘグモ監督の件は解任ではなく更迭だと強調したうえで、匿名アカウントに対して次のように言及した。
「私自身が最近というか、しばらくの間はSNSを見ていなかったので、そういった情報があったというのは正直、知りませんでした。その一方で、いまのこの社会のなかでそういったSNSの情報をどこまで規制できるのか、というのは非常に難しい問題だと思っていますし、逆に言うとこうした情報管理は、やはりクラブとしてしっかりやらなければいけない。そのなかでそうした情報に振り回されずに、自分たちができることを粛々とやっていくのが、やはり一番大切だと思っています」
 あくまでも堀之内SDの個人的な見解が示されたなかで、取材対応に同席したマーケティング本部の星野高明広報・PR部長は「クラブとしては当然、そういったアカウントの存在は認識しています」と明言。そのうえでこう続けた。
「Xというメディア内で発信される情報を、どのような規制のなかでどこまで管理できるのか。そうした客観的な話があると同時に、あとは企業であるわれわれのなかで、そうした情報に関与する人間の数を必要最小限にとどめるとか、情報を共有する方法といったところで、すべてを粛々と押さえていきたいと考えています」

 

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